「伝説のクソゲー」! カセットに「RPG」と書かれたシューティングゲームの真実

「砂糖と塩を間違える」というシーンは、
漫画やドラマでよく見かけます。
笑い話で済まされることが多いですが、
よく考えてみれば、これはかなり恐ろしい事態です。
一日の理想的な塩分摂取量はわずか10g。
一方、砂糖は50g。
もし最愛の人にクッキーを焼くときに、
砂糖と塩を間違えてしまったら…それはもはや、
凶器と呼ぶべき危険な食べ物になるでしょう。
だからこそ、私たちは容器に「砂糖」「塩」とシールを貼るのです。
見た目だけでは分からないものを、ラベルで区別する。
これは、私たちの生活を守る上で非常に重要なことです。
しかし、もしそのラベルが、中身と全く違っていたとしたら?
今回ご紹介するゲームは、
まさにその「パッケージ詐欺」の代名詞とも言える、伝説の作品です。
ファミコン史上、最もプレイヤーを混乱させたと言われる、『頭脳戦艦ガル』。
「RPG」と書かれたカセットの中身は…まさかのシューティング!?
『頭脳戦艦ガル』は、1985年にデービーソフトから発売された、
ファミコン用シューティングゲームです。
自機「ジスタス21」を操り、
敵を撃破しながら、ステージに隠された「パーツ」を100個集めるのが目的。
ゲームのシステムは、当時の縦スクロールシューティングの王道である
このゲームの何がそんなに問題だったのか?
それは、ゲームカセットに堂々と「RPG」と書かれていたことです。
誰もが、RPGだと思ってこのゲームを購入しました。
しかし、実際にプレイしてみると、
そこには広大なフィールドも、複雑な物語もありません。
ただひたすら敵を撃ち続ける、100%シューティングゲームだったのです。
「あれ?これ、もしかして…?」
まるで、砂糖だと思って口にしたら、
この「パッケージ詐欺」は、当時のプレイヤーを大いにパニックに陥れました。
「レベルアップ」という名のRPG要素
では、なぜこのゲームは「RPG」と名乗ったのか?
それは、数少ないRPG要素である
「自機のレベルアップ機能」にありました。
このゲームでは、敵を倒すことで自機のレベルが上がります。
最初は貧弱なビームしか撃てなかった自機が、
レベルが上がるにつれてビームが太くなり、連射も可能になるのです。
RPGで、弱い勇者がモンスターを倒してレベルを上げ、
強くなっていくのと同じように、このゲームでも、敵を倒して自機を成長させていきます。
さらに、レベルが上がるごとにステージのBGMが変化するという演出も、
プレイヤーのモチベーションを掻き立てました。
「この音楽の次はどんな音楽が聴けるんだろう?」と、危険を顧みず、
敵が密集している場所に突っ込んでいく。
この、ほんのり香るRPG要素が、意外なほど面白かったのです。
100ステージをクリアせよ! 狂気のクリア条件
しかし、このゲームが「伝説のクソゲー」と呼ばれる理由は、
そのクリア条件にあります。
エンディングを見るためには、
ステージに1つだけ落ちている「パーツ」を100個集めなければなりません。
つまり、100ステージをクリアする必要があるのです。
4時間ぶっ通しで、ひたすら同じようなステージをプレイし続けなければならない。
これは、もはやゲームというより、修行です。
「もしセーブ機能があったら、普通のゲームとして評価されたかもしれない…」と思う反面、「それでも4時間ぶっ続けで遊ばせるのは酷すぎる」というシンプルな感想が残ります。
この狂気のクリア条件が、多くのプレイヤーの心を折りました。
そして、このゲームを「普通の精神ではクリアできない、強烈なゲーム」として、
後世に語り継がせることになったのです。
なぜ、今このゲームをプレイするべきなのか?
『頭脳戦艦ガル』は、シンプルすぎるシューティングゲームです。
しかし、エンディングというゴールを抹消すれば、意外と楽しめます。
1985年というファミコン初期に、
自機がレベルアップするというRPG要素を盛り込んだ本作は、
当時としては革新的な試みだったのかもしれません。
RPGと名乗ったのは詐欺ですが、そのアイデア自体は、評価に値します。
「頭脳戦艦ガルは強烈なゲームだ」
誰もがそう言います。
しかし、その「強烈さ」を、
シューティングゲーム好きなら一度は体験してみるべきです。
クリアした人間が、伝説の勇者になれるゲーム。
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