伝説の『バットマンリターンズ』は、なぜ流行らなかったのか?
「ダーク」という言葉には、不思議な魔力が宿っています。
例えば、
魔王を操れるシミュレーションRPG『ダークハーフ』、
魔王軍の下っ端が成り上がる『ダークキングダム』、
そしてプレイする勇気を試されるアドベンチャーゲーム『ダークシード』。
どれも、そのタイトルに「ダーク」という言葉が付くだけで、
普通のゲームが突如として個性的で、唯一無二の世界観を持つ作品へと変貌します。
それほどまでに、「ダーク」という言葉が放つ力は、絶大なのです。
今回は、そんな「ダーク」という言葉がこれ以上なく似合う、
伝説のアクションゲーム、『バットマンリターンズ』の魅力に迫ります。
「ダークヒーロー」がゴッサムシティを破壊する、至高のベルトスクロールアクション
『バットマンリターンズ』は、
1993年にコナミからスーパーファミコン向けに発売されたアクションゲームです。
ティム・バートン監督の同名映画をゲーム化した作品であり、
そのダークな世界観を見事にゲームに落とし込んでいます。
ゲームの主人公は、
もちろんダークヒーロー「バットマン」。
物語の舞台は、犯罪と闇が蔓延る架空の都市「ゴッサムシティ」です。
プレイヤーは、犯罪者たちを相手に、容赦なく暴れまわります。
ゲームシステムは、
『ミュータントタートルズ』や『ファイナルファイト』といった名作に代表される、
オーソドックスなベルトスクロールアクションです。
プレイヤーはステージを左右に移動しながら、
次々と現れる敵を倒していきます。
画面上のすべての敵を倒さなければ、次のエリアに進むことはできません。
このシステムが、適度な緊張感を生み出し、プレイヤーをゲームの世界に引き込みます。
しかし、このゲームが他の作品と一線を画すのは、
そのバイオレンスな表現と、バットマンの多岐にわたるアクションです。
ムキムキのバットマンが、豪快なパンチとキックで敵をなぎ倒し、
時には敵と敵の頭を掴んでぶつけ合わせたり、
ショーウィンドウに叩きつけたりするアクションは、
他のゲームでは味わえない爽快感がありました。
このゲームの魅力を引き立てています。
- 不気味な笑みを浮かべるピエロ
- 巨大な体を持つ太ったピエロ
- 剣を持った不気味な敵
- 火を噴く大道芸人
など、登場する敵はどれも、ゴッサムシティの狂気を象徴するかのような、
奇妙で不気味なデザインです。
これらの敵を次々と倒していく快感は、
「ゴッサムシティは、こうでなくっちゃね!」と、
プレイヤーに最高の満足感を与えてくれます。
また、ステージをクリアするごとに、
まるで映画を見ているかのようなムービーシーンが挿入されます。
これがまた、原作の雰囲気を完璧に再現しており、
映画ファンにとってはたまらない演出でした。
ベルトスクロールだけじゃない! 多彩なゲームジャンルが詰め込まれた贅沢な一本
このゲームの魅力は、
単なるベルトスクロールアクションに留まりません。
ステージごとにゲーム性が大きく変化するのも、この作品の大きな特徴です。
- 燃え盛るビルから、ワイヤーを使って脱出するワイヤーアクションステージ。
- 愛車「バットモービル」を操り、敵を撃ち落とす3Dシューティングステージ。
これらの異なるジャンルのゲームが、
物語の進行に合わせて交互に挿入されることで、
プレイヤーは飽きることなくゲームを進めることができます。
特に、バットモービルでのシューティングステージは、
そのスピード感と爽快感から、
このステージをプレイするためだけに何度もゲームをやり直したくなるほどの
圧倒的な中毒性を持っていました。
一つの作品で、これほどまでに多彩なゲーム体験ができるというのは、
当時としては非常に贅沢なことでした。
コナミが持つ技術力と、バットマンという力を最大限に活かした、
まさに傑作と呼べる作品だったのです。
なぜ、この名作は「ワゴンセール」の常連だったのか?
コナミという信頼のブランド、
値段が下がりにくいベルトスクロールアクション、
そして「バットマン」という世界的なネームバリュー。
これらの要素を考えれば、
『バットマンリターンズ』がワゴンセールの常連だったことは、
にわかには信じがたい事実です。
しかし、このゲームが多くのゲームショップで格安で売られていたのには、
明確な理由がありました。
それは、ボスの強さが異常だったからです。
通常のステージは、
敵の出現パターンさえ覚えてしまえば、比較的スムーズに進めることができます。
しかし、ステージの最後に待ち受けるボスたちは、
その圧倒的な強さでプレイヤーの心を容赦なくへし折りました。
特に、プレイヤーを絶望の淵に突き落としたのが、
悪役でありながらもどこか憎めない「キャットウーマン」と「ペンギン」です。
キャットウーマンは、ステージ3という序盤に登場するにもかかわらず、
ラスボス級の強さを誇っていました。
- 異常なスピード:バットマンの攻撃が当たる前に、素早く動き回ります。
- 驚異的なリーチ:鞭を使った攻撃は、画面端まで届くほど長いです。
- 即死級の必殺技:一度食らえば、ほぼ間違いなくゲームオーバーになります。
彼女の圧倒的な強さに、多くのプレイヤーがここで挫折し、
泣く泣くゲームを売りに行ったことでしょう。
そして、ステージ4で登場するペンギンもまた、
プレイヤーの心をへし折る強敵でした。
彼は「傘」を武器にして戦います。
一見するとシンプルな攻撃方法ですが、
彼はステージ全体に無数の傘を飛ばしてきます。
この傘をどうやって回避し、どうやって攻撃するのか、
対処法がわからなければ、ダメージを与えることすら困難でした。
映画『バットマンリターンズ』では、
バットマンだけでなく、
キャットウーマンとペンギンが悪役の視点で物語が進んでいきます。
そのため、ゲームでも彼らをただの雑魚ボスとしてではなく、
バットマンに匹敵する「もう一人の主人公」として、
とてつもない強さで描いたのかもしれません。
もし、このゲームの難易度がもう少し優しければ、
間違いなく今でも語り継がれる名作アクションゲームになっていたはずです。
しかし、その圧倒的な難易度こそが、
このゲームを「骨太なアクションゲーム好き」にとって、たまらない一本にしているのです。
なぜ、今このゲームをプレイするべきなのか?
『バットマンリターンズ』は、
そのダークな世界観、多彩なゲームジャンル、そして骨太な難易度が、
他の追随を許さない独自の魅力を放っています。
- 濃厚な世界観:コナミが手がけたゲームミュージックは、ただ聴くだけでゴッサムシティの不気味な雰囲気を感じさせ、プレイヤーをゲームの世界へと引き込みます。
- マッチョなバットマン:気持ち悪い敵をボコボコにする爽快感は、最高のストレス解消になります。
- 異常なボスの強さ:何度も挑戦し、ようやくボスを倒した時の達成感は、他のゲームでは味わえません。
「ダークなのにヒーロー」
「ヒーローなのにダーク」
この不気味な世界を、あなたの手で体験してみませんか?
キャットウーマンとペンギンという、あまりに強すぎるボスたち。
彼らとの死闘を乗り越えた時、あなたはきっと、
このゲームが持つ本当の魅力を知ることになるでしょう。
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