モノノフ的ゲーム紹介

モノノフ的にいろいろなゲームを解釈して行きます

一試合で15失策の野球ゲーム なんてったってベースボール

『なんてったってベースボール』が描いた、ファミコン野球の「邪道」と「未来」

「1試合で15失策は、もはや清々しい」――この言葉にピンとくるあなたは、

間違いなく真のレトロゲーマー、あるいは野球ゲームの奥深さを知る者でしょう。

 

サンソフトが1990年にファミコンで放った異色の野球ゲーム、

『なんてったってベースボール』は、まさにその豪快なゲーム性を体現する一本です。

 

 

王道を目指した先に生まれた「異端」の輝き!『なんてったってベースボール』

 

ゲームの世界には、王道を追い求めた結果、

図らずも「邪道」へと突き進んでしまう、そんな愛すべき作品たちが存在します。

 

ロールプレイングゲームの金字塔『ドラゴンクエスト』を目指した先に、

とんでもない個性を放つゲームが生まれたり。

 

スーパーマリオ』のようなアクションゲームを追い求めた結果、

常軌を逸した激ムズゲームが誕生したり…。

 

そして、今回ご紹介する『なんてったってベースボール』もまた、

ファミコン野球ゲームの王道である『ファミスタ』を目指したにもかかわらず、

その結果生まれたのは、まさかの「豪快」かつ「破天荒」な野球ゲームでした。

 

まさに型破りな一本。

 

王道の野球ゲームとは一線を画しますが、

そのユニークなゲーム性は、間違いなくあなたを魅了するはずです。

 

 

『なんてったってベースボール』とは?「コガメ」が拓いた未来の野球ゲーム

 

1990年にサンソフトから発売されたファミコン専用野球ゲーム

『なんてったってベースボール』。

 

その目的はシンプル、

実在する12球団から好きなチームを選び、リーグ戦を戦い抜くという、

オーソドックスな野球ゲームでした。

 

しかし、本作が当時の野球ゲーム、

特に『ファミスタ』と一線を画す最大の、そして最も革新的な特徴は、

他でもない「コガメ」と呼ばれる追加データカートリッジの存在でした。

 

この「コガメ」を本体カセットの背面に差し込むことで、

なんと最新の選手データでゲームをプレイできるという、

まさに未来を先取りしたかのようなシステムを搭載していたのです!

 

残念ながら、本作を購入した時には、追加データは市場から姿を消しており、

その先進的なシステムを実際に体験することはできませんでした。

 

しかし、当時2000円程度の追加データで、

その年の最新プロ野球データで遊べるというのは、

お小遣いが限られた子供たちにとって、まさに画期的なシステムだったに違いありません。

 

その他にも、プレイヤーが自由に好きなチームを作成できる「エディットモード」や、

純粋にホームランの飛距離を競う「ホームランモード」が搭載されており、

基本的には、当時の野球ゲームに必要な要素は網羅されていました。

 

見た目は王道、しかしその中身には、野球ゲームの「未来」が詰まっていたのです。

 

 

プロ野球…これほどまでに「酷かった」のか?!衝撃のエラー率

 

本作の打撃システムは、『ファミスタ』に比べて

「ヒットが非常に簡単に出る」という特徴がありました。

 

そのため、対戦モードで友達と遊ぶ際には、

まさに「打撃戦」が繰り広げられ、大いに盛り上がることができました。

 

タイミングさえ合えば、

非力なバッターでもホームランを量産でき、ガンガン得点が入る爽快感は格別。

 

その一方で、三振を取るのは至難の業で、

投手戦を好むコアなプレイヤーには物足りなく感じるかもしれませんが、

乱打戦を求めるプレイヤーにとっては、まさに最高の野球ゲームだったと言えるでしょう。

 

…と、ここまでは、このゲームの「表」の評価です。

 

この『なんてったってベースボール』が、

レトロゲーマーの記憶に深く刻まれている真の理由は、その「裏」の評価にあります。

 

それは…「草野球レベルの守備」という、衝撃的な一言に集約されます。

 

この「草野球レベル」という評価は、

単に「コンピューターが弱い」という話ではありません。

 

本作における「エラーをする確率」が、

他の野球ゲームに比べて、体感で10倍は酷いのです。

 

野球におけるエラーとは、

本来ならアウトにできるはずのプレーを、選手のミスで取りこぼしてしまうこと。

 

珍プレー好プレー集で言えば、まさに「珍プレー」に分類されるような、

稀に起こる「アクシデント」のはずです。

 

現代の野球ゲームでは、

「エラー確率」が選手のパラメーターとして細かく設定されている時代に、

この『なんてったってベースボール』は、もはや小学生の野球レベルと見間違うほどの、

驚異的なエラー率を誇っていたのです。

 

「これでゲームセットだ!」と誰もが勝利を確信するような場面でも、

このゲームには一切の安心感がありません。

 

ファーストがエラーした打球を、

そのままセカンドがさらにエラーしてバックアップが間に合わず、

走者が生還してしまう…。

 

満塁のチャンスでフライを打ち上げたかと思いきや、

野手がまさかの落球、ランナー一掃で3点献上…。

 

もはや「プロ野球」を名乗ってはいけないレベルの、

「ぶっ壊れた野球」がここでは楽しめます。

 

その結果、1試合で15失策という、

常識では考えられないようなスコアが飛び出すことも珍しくありませんでした。

 

しかし、その「ぶっ壊れ」具合が、逆にこのゲームの魅力でもありました。

 

エラーで点を取られれば、ホームランで取り返す。

 

守備はガタガタでも、打撃でカバーする。

 

そんな豪快な「取られたら取り返す」という、まさに豪打爆発の野球が、

このゲームでは心ゆくまで楽しめたのです。

 

 

「コガメ」が紡ぐ夢:ファミコンゲームの「もしも」の未来

 

初めてこの『なんてったってベースボール』のカセットを見た時、

そのあまりの大きさに誰もが驚いたはずです。

 

普通のファミコンカセットの2倍はあろうかという分厚さ、

まるで「おにぎり」のような独特の形状。

 

これは、「コガメ」と呼ばれる追加データを背面に差し込むために、

これほど巨大なカセットにする必要があったからに他なりません。

 

もし、この「コガメ」システムが世の中で大ヒットしていたら――。

 

全てのファミコンゲームが、追加データを差し込むことで、

新たなゲームへと進化していたとしたら。

 

あの『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』に、

カセットを差し込むだけで新しいアイテムやモンスター、

あるいは追加シナリオが実装されていたとしたら…。

 

そう考えると、本当に惜しい、と胸を締め付けられる思いがします。

 

まさに、当時の開発者が抱いた「未来への夢」が、

この大きなカセットには詰まっていたのです。

 

一試合で15失策を叩き出す破天荒なゲーム性。

 

そして、「コガメ」が拓こうとした、ファミコンゲームの可能性。

 

そんな唯一無二の魅力が詰まった『なんてったってベースボール』は、

単なる野球ゲームという枠を超え、レトロゲーム史にその名を刻む名作なのです。

 

さあ、あなたもファミコンを手に、

この「豪快な野球」の世界を体験し、

未来への夢が詰まった「コガメ」のロマンに触れてみませんか?

 

 

こちらから購入できます