ファミコンの限界を超えたパロディウスだ!が示す、愛すべき「もどかしさ」の向こう

あなたは、数十年前の重い自転車を漕いだ経験がありますか?
フレームだけで10キロはありそうな、あのずっしりとした手応え。
最新の自転車が数キロと軽やかに駆ける現代において、
その重さに辟易しながらも、
カゴいっぱいにスーパーの食材を詰め込める圧倒的な積載量に、
妙な満足感を覚えたことでしょう。
しかし、どんなに脚を酷使しても、その自転車はゆっくりとしか進まない。
新聞配達用としては最高でも、
日々の移動を考えれば、その「重さ」に打ち勝つことはできませんでした。
今回ご紹介するゲームは、
まさにそんな、「面白さは最高だけど、最後まで遊ぶには結構辛い」、
愛すべき名作。
シューティングゲーム『パロディウスだ!』です。
コナミファン感涙! シューティングの常識をぶち壊す「お祭り騒ぎ」
「コナミ・ワイワイワールド」という、
かつてのアクションゲームの主人公たちが集結した
最高のお祭り騒ぎを覚えていますか?
その興奮を、
今度はシューティングゲームの世界で再現したのが、
この『パロディウスだ!』なのです。
ゲームの目的は、
捕らわれの身となった「オオダコ」を助け出すため、
コナミのオールスターズが宇宙へと飛び立つというぶっ飛んだ設定でした。
システムは
オーソドックスな横スクロールシューティングでありながら、
その中身は、まさに「パロディウスだ!」のタイトルに偽りなし。
名作シューティングのシステムをこれでもかと盛り込み、
グラディウスでお馴染みの任意でパワーアップできるシステムに加え、
ツインビーのベルシステムまでをも取り入れるという豪快さ。
「これで満足できない人はいないでしょ」と言わんばかりの、
ファンサービス満載の構成です。
主人公機は個性的で豪華絢爛。
本作の顔ともいえるタコ
コナミのアイドルペンギン
そしてシューティングゲームの金字塔グラディウスとツインビー。
この四者四様の自機が、
グラディウス譲りの自由なパワーアップシステムと相まって、
無限とも思える遊び方を生み出します。
さらに、ゲーム開始時のBGMが、
それぞれの主人公が活躍するゲームの音楽になっているという憎い演出は、
往年のコナミファンならば、きっと感涙もののはずです。
硬派なジャンルであるはずのシューティングゲームを、
これほどまでに茶化し、パロディにし尽くした本作は、
まさにファミコンを代表する名作と言えるでしょう。
「最高のゲーム」が「もやもや」を生んだ? ファミコンの限界に挑んだ光と影
『パロディウスだ!』は、本当に面白いゲームです。
そしてパロディウスの世界観も楽しめるのですから、その価値は計り知れません。
無制限のコンティニュー機能も相まって、
諦めなければクリアできるマイルドな難易度設定は、
シューティング初心者から上級者まで、誰もが等しく楽しめる懐の深さを持っています。
そのゲームの中身だけを見れば、
文句なしの満点を与えても良い、素晴らしい作品です。
それなのに、なぜか遊んでいると「物凄くもやもや」する。
最高のゲームなのに、なぜそんな感情が生まれてしまうのか?
その原因は、ゲームの容量にありました。
アーケードからの忠実な移植を目指したがゆえに、
このゲームはファミコンでは耐えきれないほどの大容量となっていました。
その結果、どうなるか?
ステージの途中で、
まるで10キロ以上の重い自転車を漕いでいるかのように、
ゲームのスピードが物凄くゆっくりになるのです。
敵の多さや、自機のフルパワーアップ状態のグラフィックや処理が、
ファミコンの処理能力を限界まで追い込み、
結果として「処理落ち」と呼ばれる現象が頻繁に発生してしまうのです。
これが、この最高のゲームをプレイする上で、最も「辛い」部分でした。
しかし、そんな「もどかしさ」を逆手に取った、
驚くべき攻略法が存在しました。
それは、あえて自分の装備を貧弱にするという方法です。
フルパワーアップ状態では処理が追いつかないのなら、貧弱なままで進めばいい。
するとどうでしょう。
ゲームのスピードは驚くほど快適になり、
「ずっとこのままで遊んでいたい」とさえ思わせるほど。
もちろん、
パワーアップしなければ敵に対抗するのは困難になりますが、
そこをあえて攻めることで、
ハラハラドキドキのスリルと、快適なスピード感を両立できるという、
まさに「激ムズの裏ワザ」が生まれたのです。
マイルドな難易度でゆっくり楽しむか、
それとも凶悪な難易度で快適に楽しむか。
この二者択一こそが、処理落ちというファミコンの限界が生み出した、
このゲームならではのユニークな魅力なのかもしれません。
いま、この『パロディウスだ!』を手に取る理由
このゲームは、バカバカしい世界観と、
シューティングゲームとしての完璧な作りが融合した奇跡の作品です。
そして、ファミコンの限界に挑戦し、その限界を露呈してしまったという点でも、
歴史的にも非常に興味深い一本と言えるでしょう。
「最高のゲームでありながら、惜しいゲームでもある」。
そのもどかしさこそが、
今この『パロディウスだ!』を手に取る理由なのです。
スーパーファミコン版では大幅にパワーアップし、
処理落ちも改善されましたが、
このファミコン版が持つ「面白さと容量のジレンマ」は、
他のどのバージョンでも味わうことのできない、唯一無二の体験です。
きっと、あなたが想像する以上の
「熱狂」と「もどかしさ」、そして「達成感」が、そこには待っているはずです。
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