硬派なアクションゲームかと思いきや?カプコンが放った名作『ソンソン』の衝撃!
ゲームの世界には、様々な西遊記のゲームが存在します。
それは、当時の日本で巻き起こった「大西遊記ブーム」の名残なのかもしれません。
そんな西遊記をモチーフにしたゲームの中でも、
ファミコン初期に発売され、多くのプレイヤーを魅了した名作アクションゲームが、
今回ご紹介する『ソンソン』です。
1985年にカプコンから発売されたこのゲームは、
一見すると、硬派な横スクロールアクションゲーム。
しかし、その実態は、食べ物をひたすら拾い食いし、敵をなぎ倒していくという、
なんともユニークな作品でした。
「天竺までの道のりはお腹がすくよね!」というカプコンの優しさが詰まった、
中毒性抜群の名作『ソンソン』の世界へ、いざ出発!
『ソンソン』とはどんなレトロゲーム?
『ソンソン』は、1985年にカプコンから発売された、
ファミコン用のアクションゲームです。
お供の猪八戒と共に、長い長い天竺を目指して旅に出る、という物語です。
ゲームシステムは、
横スクロールアクションのジャンルでありながら、
どことなくシューティングゲームを彷彿とさせます。
なぜなら、主人公の孫悟空は、
常に画面を横へと進み続け、空中に浮かんだ足場を登ったり下りたりしながら、
敵を倒していくからです。
しかし、パッケージでは「筋斗雲」に乗っている孫悟空が、
ゲーム内では普通に歩いているという、なんともシュールな光景が広がっています。
もし、孫悟空が空を飛んでいたとしたら、
間違いなくシューティングゲームとして語られていたでしょう。
しかし、足場を歩くというアクション要素があることで、
このゲームは独自のジャンルを確立したのです。
攻撃方法は、孫悟空の武器である「如意棒」を飛ばすショットのみ。
パワーアップアイテムといった親切なものは一切存在せず、
頼りになるのはプレイヤー自身のアクションテクニックだけ。
この硬派なゲーム性が、ファミコン初期のゲーマーたちを熱中させた、
記念すべき作品なのでした。
「食べ物」がメイン!?拾い食いとスコアアタックが熱い!
『ソンソン』を語る上で欠かせないのが、
ゲーム内に登場する「食べ物」の存在です。
ステージの道中には、
イチゴやスイカ、団子やさやえんどうなど、様々な食べ物が落ちています。
天竺までの長い道のり、
孫悟空はお腹をすかせるだろう…という、カプコン開発陣の粋な計らいなのでしょう。
これらの食べ物を拾うとスコアが上がるのですが、それだけではありません。
- スモールフーズ:小さな食べ物。6個食べると、次の食べ物が「ビッグフーズ」に変化する。
- ビッグフーズ:ケーキやエビフライ、ジャンボフランクフルトなど、豪華な食べ物。スモールフーズよりも高得点!
いかに効率よくビッグフーズを出現させ、スコアを稼いでいくか…これが、
このゲームの大きな楽しみ方の一つでした。
そして、このゲームの「拾い食い」要素は、これで終わりません。
ビッグフーズを8個食べると、
なんと、画面上の敵をすべてビッグフーズに変えてしまう、
究極のアイテムが出現するのです!
邪魔でしかなかった敵キャラクターたちが、
一瞬にして美味しそうなケーキやエビフライに変化する…こんなに贅沢で、
中毒性の高いゲームが他にあったでしょうか?
ショットも一種類しかない、パワーアップアイテムもない。
そんな硬派なゲームだからこそ、
プレイヤーは「食べ物」を拾うことに夢中になってしまうのです。
ファミコンの限界に挑戦!多すぎる敵とゲームスピードの呪い
このゲームの難易度を上げている要因の一つが、
「敵の出現数の狂気」です。
プレイヤーは孫悟空一人なのに、
画面には20匹以上もの敵が押し寄せてきます。
「卑怯だぞ!」と叫びたくなるほどの敵の大群。
しかし、この敵たちをビッグフーズに変えるアイテムが出現した時の爽快感は、
まさに格別でした。
しかし、この敵の多さには、
ファミコンの「容量の限界」という、悲しい欠点もありました。
あまりにも多くの敵が画面に表示されると、
ゲームの処理が追い付かず、ゲームスピードがガクッと落ちてしまうのです。
それまで快適にプレイできていたのに、
敵の大群が出てきた途端、まるで呪いにかかったかのように動きが遅くなる…。
このファミコンならではの「味」も、
今では懐かしい思い出ですが、
当時は多くのプレイヤーがもどかしさを感じたことでしょう。
なぜ今、この拾い食いアクションを遊んでほしいのか?
このゲームは、2人同時プレイも可能なので、
当時一人でしか遊んだことがない人は、
ぜひ友達や家族と一緒にプレイしてみてほしいです。
- 食べ物を食べる→大きな食べ物が出る→大きな食べ物を食べる→敵が食べ物に変わる
この「永久機関」のような中毒性の高いゲームサイクルは、一度体験したら忘れられません。
また、このゲームの主人公である孫悟空がとてつもなく可愛いのも、
大きな魅力の一つです。
このゲームの欠点は、
ステージクリアという概念がなく、
天竺にたどり着くまでの20分間はノンストップで進み続けること。
そして、敵が多すぎてゲームスピードが落ちてしまうことくらいです。
しかし、これらの欠点さえも愛せるほどの魅力が、この『ソンソン』にはあります。
拾い食いをしながら天竺を目指す孫悟空一行。
逆に考えると、これが一番リアルなのかもしれません。
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