セガサターン『真説夢見館 扉の奥に誰かが』が問いかける「引きこもり」の闇

1994年、セガサターンで発売された
『真説夢見館 扉の奥に誰かが』は、
前作『夢見館の物語』(メガCD)の続編でありながら、
プレイヤーに不穏な感覚をもたらす探索型アドベンチャーゲームです。
ホラーゲームとして始まり、
ヒューマンドラマへと変貌し、そして最後に再びホラーの様相を呈する本作。
その物語は、
幼い兄弟が館で蝶に変えられてしまった前作の「その後」を描いています。
館の住人たち(彼らもまた蝶)との交流を通じて、
夢見館が崩壊していく過程が描かれます。
『バイオハザード』や『エコーナイト』から戦闘を排除したような探索システムは、
ポリゴンで描かれた不気味な館を舞台に、
「なぜ蝶になったのか?」「主人公は何者なのか?」といった謎を解き明かす、
セガサターンを代表するアドベンチャーゲームです。
ホラーとヒューマンドラマ、そして見えない「闇」
初めてプレイした時、
多くのプレイヤーがこのゲームをホラーゲームだと感じたでしょう。
薄暗い館のデザイン、不気味な雰囲気、そして序盤に語られる衝撃的な童話。
すべての要素が、プレイヤーに恐怖を与えます。
しかし、ゲームを進めるにつれて、その印象は大きく変わっていきます。
住人たちがなぜ館にいるのか、彼らが抱える心の闇に触れていくうちに、
物語はホラーから深いヒューマンドラマへと移行していきます。
そして、このゲームを再プレイして気づかされるのが、
その物語の「裏テーマ」です。
住人たちは、心に闇を抱えてこの館に流れ着きました。
永遠の命と引き換えに蝶の姿となり、一切の自由を奪われる。
安全は約束されているが、
自由を得るためには危険な外の世界に出なければならない。
これはまるで、「引きこもり」をテーマにしているのではないかと感じられます。
1994年という時代に、
現代社会の状況を予見していたとすれば、
このゲームのストーリーは計り知れないほど深いと言えるでしょう。
物足りないボリュームと「理不尽な」ゲームオーバー
『真説夢見館』は、
住人たちのお使いを聞きながら物語を進める、シンプルなアドベンチャーです。
しかし、そのボリュームはわずか3時間程度で、
あっという間に終わってしまいます。
物語はほぼ一本道で、
プレイヤーの選択が後の展開に影響することはほとんどありません。
また、ゲームオーバーのバリエーションは多いものの、
それが緊張感を生むわけではなく、「あ、死んじゃった」程度の軽さです。
ゲームで最も驚くべきシーンが、
開始5分で登場する童話だというのは、少し残念な点かもしれません。
もう少しボリュームがあれば、名作ホラーとして語り継がれたかもしれない。
そう思わせるほど、惜しい作品です。
謎が深まる物語と、サクッと楽しめる魅力
このゲームは、前作を知るファンからは「蛇足」と批判され、
今作からプレイした人からは
「セガサターンらしいアドベンチャー」と評価が分かれています。
しかし、時間を置いてから再プレイすることで、
キャラクターたちの心の闇や物語の奥深さが見えてくる、
不思議な魅力を持っています。
わずか3時間で終わってしまうけれど、その短さが好きな人にはおすすめです。
ホラーとヒューマンドラマ、
そして深い社会テーマが織りなす『真説夢見館』。
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