『カウントダウンヴァンパイアーズ』は、プレイヤーの心をバッキリ折る「超絶難解」サバイバルホラーだ!
最近、長いゲームを遊ばなくなりましたよね。
モンハン2ndGに1000時間…と、
半年間延々と遊び続けるのが当たり前だったのに。
今では30時間のRPGですら「長いな…」と感じてしまう。
あの頃の情熱を早く取り戻したい!と、私も常々思っています。
絶対に面白いと分かっているのに、
40時間遊ぶのが辛くて、未だに手が出せずにいますからね。
そんな「長いゲームは苦手…」という現代人の心をへし折るかのように、
今回ご紹介するのは、
「バイオハザードを物凄く長くして、物凄く難しくした感じ」の
その名も『カウントダウンヴァンパイアーズ』!
13時間かけて、あなたの心をバッキリ折りにくる、
「バイオハザード」に酷似?いいえ、敵は「ヴァンパイア」です!
1999年、バンダイから発売された『カウントダウンヴァンパイアーズ』。
その目的は、広大なホテルを舞台に、
突如として吸血鬼になってしまった人々を救うべく、
金髪の青年刑事「キース」が、広すぎるホテルを探索していく…というもの。
ゲームシステムは、
もう「まんまバイオハザード」!
扉には鍵がかかっていて、その鍵を探すためにフロアを探索する。
ロッカーには暗証番号が必要で、その暗証番号を探すためにまたフロアを探索する。
そして、その探索を邪魔するかのように、
ヴァンパイアたちがこれでもかと押し寄せてくる…!
まさにドキドキワクワクの連続です。
「ハーブ」ではなく「ドリンク」、
「救急ボックス」ではなく「ボトル」、
「救急スプレー」ではなく「フード」…といった、
「バイオハザードとは全然違うんですよ!」という潔さも、逆に好感が持てますよね。
ホテル内には自動販売機まで設置されており、
お金で回復アイテムを購入できるのも心強い限り。
(ただし、買いすぎると売り切れになるので注意!)
「R?MJ」のスタッフが制作したこともあり、
当時から知名度は高かったのですが、私もプレイするまではその実態を知りませんでした。
PS版『サラリーマン金太郎』の予告編を見て
「面白そうだな」と思っていたのですが、
いざ遊んでみたら、操作性までバイオハザードだったという、
なんとも豪快な作品でしたね!
絶望に次ぐ絶望!「謎解きのミルフィーユ」が脳を破壊する!
このゲームをプレイして、真っ先に思ったこと…それは「フロアでか!!」です。
探索できる範囲が広すぎて、
「どこから調べればいいんだ!?」と途方に暮れるほどの広大さ。
鍵がかかっていたりするので、
順序よく進めることになるのですが、この謎解きの部分が、まあ辛かったですね。
広大なフロア、泣きたくなるような謎解き、そして一つクリアしたと思ったら、
またすぐに次の謎解きが待ち受けている…まさに「謎解きのミルフィーユ」!
簡単に言えば、
30分前に入手したヒントを、急に別の場所で使わされるような感覚なんです。
「どのヒントが答えなの!?」と、常に頭を抱えるような難しさでしたね。
「もう、攻略見ちゃおうかな…」という悪魔のささやきが、
常に聞こえてくるほどの難易度でした。
心電図をタイミングよく動かす謎解きに15分、
楽譜を見て音楽を奏でる謎解きに30分、
時計の針を動かす謎解きに1時間…!
こんな、一つ一つの謎解きの難しさこそが、
『カウントダウンヴァンパイアーズ』がバイオハザードに勝っている部分
だったのかもしれません。
謎解きの直後にまた謎解き…そんな「謎解きのミルフィーユ」は、
アドベンチャーゲーム本来の楽しさを再認識させてくれる素晴らしさなのでした。
敵を倒すな、助けろ!「人命救助」という名のジレンマ!
「バイオハザードのパクリだ」と言われても、
このゲームに反論の余地はありません。
本当にバイオハザードそのものですからね。
だから、「だったらバイオハザードを遊びます」と言われても仕方ないかもしれません。
ただ、ちょっと待ってほしいんです!
『カウントダウンヴァンパイアーズ』ならではのオリジナル要素も用意されています。
それは、なんと「敵キャラを救出できる」というシステムなんです!
このゲームには「吸血鬼」と「生物兵器」の2種類の敵が登場します。
吸血鬼は元々人間で、最初はゾンビのようにノロノロしていますが、
イベントの進行によって時間が進むと、スピード感あふれる強敵へと変貌します。
一方の生物兵器は、
コウモリやオオカミの能力を持った、吸血鬼とは異なるモンスター感満載の敵です。
この2種類の敵のうち、吸血鬼だけは助け出すことができるんです!
「白い水」という聖水のようなものを振りかけることで、
元の人間に戻らせることが可能で。
麻酔銃という、戦闘能力は皆無ですが敵を眠らせる武器で吸血鬼を眠らせ、
その隙に聖水を振りかけて人間に戻す…この人命救助のお礼として、
若干のお小遣いがもらえ、それでジュースやお菓子を買うことができるんです!
助け出した人数でエンディングが変化するそうなので、やり込み要素も満載。
ただ、この麻酔銃の性能が最悪で、
何発も撃ち込まないと敵を眠らせることができません。
そうなってくると、人命救助よりも、
ハンドガンなどで倒した方が早くなるのも事実…!
助け出したいけど、それよりもピンチを脱出したい!
そんな「人命救助」という名のジレンマが、このゲームの本当の魅力でした。
苦労して人命救助するのか、
それともハンドガンやショットガンで吹っ飛ばすのか…、
その葛藤をぜひ楽しんでみてください!
13時間かけて「ゴミエンディング」!?製作者は鬼か!!
このゲームをクリアするのに、私は13時間かかりました。
ランクはC。バイオハザードも初めてのプレイだと8時間くらいかかったので、
慣れればもっと短縮できると思うのですが…。
バイオハザードの操作に慣れ、なんとなく謎解きのパターンも掴み、
敵の対処法も今までの経験でどうにかして、その末に辿り着いた時間が、
まさかの13時間でした。
おそらく、一切バイオハザードに触れたことがない人だったら、
20時間くらいかかる、イカれた長さだったのではないでしょうか。
そんな長時間プレイの最後に待ち受けていたのが、
猛烈に難しいラスボス戦!
回復アイテムを満タンに持ち込み、持てるだけ武器を満載にして、
何度も何度も挑んで、ようやくクリアできた…そんな鬼ムズのゲームでした。
そして流れる、「ゴミのようなエンディング」!
まさに「心をバッキリ折られる」までが、
この『カウントダウンヴァンパイアーズ』の黄金パターンなんです。
というのも、このゲームは2周クリアが前提のゲームだそうで、
1周目ではまず間違いなく「ゴミエンディング」を見せられるようです。
「え?このために死ぬ気で遊ばされたの!?」と、
思わず叫びたくなるほどの酷さです。
そんなところに、
今までのプレイ時間、ランク、助け出した人命の数が表示され、
「なるほど、高ランクじゃないとダメなのね」と気づかされるわけですね。
なんでも、7時間以内のクリアが必要で、
人命もたくさん救わなければいけないそうです。
そんな事実を知った時に、「3年後にもう一度遊ぼう」と、
私はゲームの箱に封印したのでした。
13時間かけてゴミのようなエンディングを見せられ、
高ランクでないとグッドエンディングが見られないと知る。
せめて4時間くらいのボリュームにするべきじゃないのか!! と思いながら、
このゲームの感想を終わらせていただきます。
「時の恐怖」に挑め!『カウントダウンヴァンパイアーズ』は、あなたを試す!
- バイオハザード好きならスムーズに遊べる!
謎解きも難しいので、「最近のバイオはヌルゲー」なんて人にこそ遊んでほしい一本です。あなたは、何時間でクリアできるでしょうか? 私は13時間です!
- ボリューム感のあるバイオハザードを体験!
この響きだけで、一定のプレイヤーは遊びたくなるのではないでしょうか。ゲームのCGもかなり凄く、その部分ではバイオハザードよりも勝っていると思います。もしプレイ時間をバランスよく調整していたら、『カウントダウンヴァンパイアーズ3』まで発売されていたのでは? そんな「もしも」を体験してみてはいかがでしょうか。
- 「グッドエンディングの条件がきつすぎる」異色の名作!
クソゲーというよりも、「グッドエンディングの条件がきつすぎるので、名作になれなかった」と言った方が良いかもしれません。なにせ、意味不明なままで終わりますので、正直暴れたくなります。ただ、ゲームのパッケージにも「時の恐怖」なんて書いてあり、時間制限でストーリーが変わることは明言されているので、繰り返し遊ぶことを前提に作ったゲームだったとも思います。
そんな苦労を乗り越えた結果が、「震えるような、素晴らしいグッドエンディング」なのかもしれませんよね。完全なるイメージですが、3年後に、もう一度チャレンジした時に、最高に感動できることを祈って、私はこのゲームを封印します。
こちらから購入できます