明らかにホラーゲームなのに ふたを開ければ推理アドベンチャー
[プレイステーションのサウンドノベルの中でも 特に優秀な作品]
1998年発売
ジャンル サウンドノベル
参考価格 この記事を書いた当時は350円 今は280円
記事のネタバレ度 オチはかきません
攻略に必要なプレイ時間 10時間
このゲームに対する世間の評価 絶対にホラーゲームだと思うよね
どんな人におすすめ? かまいたちの夜が好きなら最高です
ゲームアーカイブスで配信あり
パッケージ詐欺ってありますよね
「うわ!絶対に面白そうな映画じゃん!!」とか思ってレンタルして
「ぜんぜん面白くないじゃん…」とガッカリします。
そんな今回の 絶対に怖いゲームじゃん…からのそうでもない
夜想曲の感想です。
この夜想曲ですが
1998年にパックインソフトから発売された
赤川次郎原作の
「殺人を呼んだ本」をゲーム化した作品でした。
赤川次郎とパックインソフトのコラボですから
スーパーファミコンの「魔女たちの眠り」を思い出しました。
ゲームの目的は
大学の単位を貰うために
山奥にある図書館の管理人を任せられた主人公
夏休みの間に膨大な量の書物を整理しなくてはならない
広い屋敷には主人公一人
三階には、絶対に近づいてはならない開かずの間
果たして無事に一か月を乗り越えられるのだろうか…
こんな目的でした。
ゲームのシステムは
オーソドックスなサウンドノベル作品で
選んだ選択肢によって
ストーリー展開がガラリと変わるシステムでした。
似たタイプのゲームで言いますと
かまいたちの夜や魔女たちの眠りに似ていました。
主人公は大学の単位を貰う為に
図書館の管理を任されます。
リゾート地で
テニスコートも完備されている
天国の様な場所だと聞いていたのに
その場所はジャングル
「うわ!完全に騙された…」こんな始まりでした。
そんな環境の中で
大きな地震でめちゃくちゃになってしまった本棚を、
「一か月の間に整理整頓」するのが目的なのですが。
その一か月の間に起こる
不思議な事件を解決していくという感じでした。
ゲームの流れとしては
主人公が地下の書庫で本の整理整頓をしている
そこで一冊の本を発見する
どうしてその本が寄贈されたのかを調べていく
事件がまきおこる
無事解決する
めでたしめでした…。
こんな流れでしたね。
エピソードとしましては
20年前に行方不明になった少年を探すエピソード
アイドルが巻き込まれてしまった殺人事件を推理するエピソード
3億円の遺産相続をめぐるどろどろのエピソード
屋敷に侵入してきた殺人犯におびえるエピソード
こんな4話仕立ての作品でした。
話を無事に解決すれば
次のエピソードを遊ぶことができる。
失敗してしまうと
次のエピソードを遊ぶことができない。
こんな感じでしたね。
遊べば遊ぶほど選択肢が増えていくシステムなので
同じ話でも繰り返し遊べるのは良かったです。
このゲームならではのシステムとしましては
性別を変えられるところでしょうか。
男の主人公ならこの台詞
女の主人公ならこの台詞
こんな遊び応え抜群のシステムも良かったです。
全ての本に意味がある
その意味を探していく事で
この図書館の本当の意味に気付くことができる
そんなプレイステーションを代表する
名作サウンドノベルなのでした。
夜想曲の感想でもあり レビューでもあり
[パッケージ詐欺…というかプロローグ詐欺?]
このゲームのパッケージを見た人の
99%はホラーゲームだと思って購入するのではないでしょうか。
不気味な肖像画
「殺意はそっと蘇る」こんな恐怖のキャッチコピー
血だらけの手
こんな要素を見た時に
「ああ、これは絶対に怖いゲームなんだ」と思います。
そして、ゲームを起動して
プロローグを選びます。
このプロローグの怖さといったらもう
あまりの恐怖で頭痛がするレベルでした。
とてつもなく広い屋敷に一人
幽霊が出るらしいと教えてくれる警察官
延々と鳴り響く柱時計
「自分の部屋から一歩も出たくない!!」
こんな恐怖でした。
なんてのは、プロローグまででしたね。
そこからは普通の推理アドベンチャーになっており
幽霊系というよりも
バイオレンス系のアドベンチャーになっていました。
さらに、感動できるシナリオも多く
「あれ?ホラーゲームでは無いんだな」と分かりました。
正直言いまして
話の流れとしてはかなり怖いのですが
幽霊では無く、人間を相手にしますので
それほどの恐怖になることはありませんでした。
この雰囲気で、ホラーゲームを作っていたら
伝説の作品になれたかもしれないのに
かまいたち系の推理アドベンチャーになっていたのが惜しかったです。
そのぶん、序盤さえ乗り越えれば
深夜だろうが問題なく遊べますので
一人暮らしのプレイヤーにとっては良かったのかもしれません。
推理アドベンチャーとして遊ぶには
あまりにも怖すぎるプロローグ
ホラーゲームとして遊ぶには
開始15分でピークが来てしまう
こんな惜しい作品だったのでした。
[ゲームクリアまでに10時間 完結編を出すために20時間]
このゲームは
4話仕立てになっているのですが
メインのエピソードは3話でおしまいです。
完結編という、物凄く重要な4話目は
おまけ的な扱いなんですよね。
これには本当にびっくりしました。
「あれ?完結編が全くでない?」ですからね。
投げっぱなしにもほどがありました。
なんでも
原作の小説では
肝心な部分の謎解きをしなかった様で
もやもやした終わり方だったそうです。
そんな流れをゲームでも味わってほしかったのでしょうね。
その結果が
「嘘でしょ?これで終わりなの?」という酷さだったんですね。
ここからが大変でした。
完結編を出すには
全てのエンディングを見なければいけないらしく
その数は数十種類にもおよびました。
このゲームには
システムデータという物が存在しませんし
選択肢を選んだ瞬間にオートセーブされてしまいます。
つまり、最低でも30回以上はプレイしなくてはいけませんでした。
今まではグットエンディングを目指して頑張っていたのに
今度からはバットエンドを埋める作業になって行く。
この結果が
3話までをクリアするのに10時間
全てのエンディングを埋めるまでに20時間
こんな大変さになっていた訳です。
図書館の設定ですので
エンディング見るたびに本棚が埋まっていきます。
このコツコツ感は良かったですね。
「あと3冊」
「あと1冊」
「ようやく全部埋まった…さあ2話を埋めよう」こんな楽しさでしたね。
正直言いまして
この部分は物凄く面倒です。
この部分さえ完璧ならば
かまいたちの夜を超えたのでは?とも思います。
オートスキップ機能もありませんし
選択肢をミスったらまたやり直しですし
どの選択肢を選べば分岐するのかも分かりにくいです。
それでも、この図書館の謎を解きたかったので
結局は最後まで遊んでしまうのでした。
今では攻略サイトもありますので
10時間もあればコンプリートできると思いますが
当時は自力クリアでしたのでめちゃくちゃ大変でしたね。
魔女たちの眠りの時もそうだったのですが
パックインソフトがいかにドSだったのかが分かる作品なのでした。
もう少し遊びやすくしてほしかったな…。
夜想曲のまとめ
なぜ遊んでほしいのか?
「ホラーゲームなんて遊びたくない!!」こんな人も多いかと思いますが
安心してください、怖い幽霊は一切出てきません。
ほろりと来る感動の幽霊は出てくるのですが
ほぼ怖い展開は有りませんでした。
生身の人間の方が怖い
こんなリアルを体験してください。
なにがそんなに面白いのか?
ストーリーが本当に最高でした。
自分の推理がめちゃくちゃだった時の
あのドキドキ感
絶対に助け出したいと思う
登場人物
本当に腹が立つ
犯人
感情移入度で言いますと
どんなサウンドノベルにも負けない
そんな素晴らしいストーリーをお楽しみください。
今急いで買う理由ってあるの?
このゲームは続編が出ていまして
そちらをプレイする事で全てが完結するそうです。
ゲームアーカイブスでどちらも配信されていますので
お手軽に遊びたい場合はそちらをどうぞ。
DSで1・2同梱版が発売されていますので
DSを持っている方はそちらの方がお得かも知れませんね。
初代のソフトが280円
続編が700円
DSの同梱版が640円
ゲームアーカイブスが各617円
こんな感じですので、自分のプレイ環境に応じた
好きな作品をお選びください。
今日も
モノノフ的ゲーム紹介をお読みくださりありがとうございました
開始15分は本当に怖かった それ以降はわりとギャグが多め
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