喋る機能は最新鋭、ヒントはポンコツ!?未来を先取りした将棋ゲーム
ゲームの中から音声が聞こえてくる…。
今でこそ当たり前ですが、昔はかなりの衝撃でしたよね。
私が初めて本格的な音声付きゲームに触れたのは、
プレイステーションに移植された『第4次スーパーロボット大戦S』でした。
それまでの文字だけで表現されていたセリフが、
アニメの声優さんの声で再生される。
まるで、本物のアニメの戦闘シーンを見ているような臨場感に、心底驚かされました。
それほど、ゲームの中からキャラクターの声が聞こえてくることは、
当時のプレイヤーにとって、とてつもない出来事だったのです。
今回ご紹介するのは、そんな音声機能に特化した、将棋ゲームの金字塔です。
『柿木将棋』
クリアな音声と、未来を感じさせるヒント機能。
しかし、そのヒント機能には、とんでもない落とし穴が隠されていました。
まるで本物の対局場!スーパーファミコンが誇る、臨場感あふれる将棋ゲーム
1995年にアスキーから発売された『柿木将棋』は、
スーパーファミコンで楽しめる将棋ゲームです。
もともとはパソコンゲームとして人気を博し、
後にプレイステーションやセガサターンにも移植されるほどの大ヒットを記録しました。
ゲームの目的は、シンプルにコンピューターとの将棋を楽しむこと。
- 「待った」機能
- 対局をセーブする機能
- そして、次の一手を教えてくれる「ヒント機能」
これらの機能が搭載されており、将棋初心者から上級者まで、
誰もが楽しめるように配慮されています。
しかし、このゲームの最大の魅力は、これらの機能ではありませんでした。
女流棋士の声で読み上げられる、未来の将棋対局
『柿木将棋』の最大のセールスポイントは、なんといっても「音声機能」です。
NHKの将棋番組でお馴染みの
「5五歩」「7七角」といった、
対局の進行を読み上げる女性の声が、スーパーファミコンというゲーム機から、
驚くほどのクリアさで流れてくるのです。
当時のゲームの音声といえば、
「波動拳!」や「ソニックブーム!」といった、機械的なものが主流でした。
しかし、この『柿木将棋』は、
まるでそこに本物の立会人のお姉さんがいるかのような、生々しい音声を実現しました。
「9一角」「2二飛車」と、
将棋の駒の動きが滑らかに読み上げられる度に、
プレイヤーは「スーパーファミコンって、こんなにすごかったのか!」と感心させられます。
1995年という、次世代機が台頭し始めた時期だからこそ
可能だった技術かもしれませんが、当時のプレイヤーにとっては、
まさに「未来の将棋ゲーム」と呼ぶにふさわしい、衝撃的な体験だったのです。
最新鋭の音声、ポンコツなヒント機能
クリアな音声でゲームを盛り上げてくれる『柿木将棋』。
もう一つの売りである「ヒント機能」も、
将棋を知らないプレイヤーにとっては、非常にありがたい機能のはずでした。
しかし、このヒント機能が、とんでもないポンコツぶりを発揮します。
複雑な局面で「次にどこに打てばいいのだろうか?」と悩んだ時、
プレイヤーはヒント機能を使います。
思考に時間がかかるため、1分ほど待って、
ようやく導き出された答えを画面で確認します。
「え?そこで本当に良いの?」
どう考えてもそこに打ったら不利になる…とプレイヤーは思うのですが、
「未来のゲーム」が導き出した答えを信じて、その通りに打ちます。
しかし、結果は負け。
おそらく、このゲームのコンピューターは、
複雑な局面になると、パニックに陥ってしまうのでしょう。
冷静さを保つことがコンピューターの最大の強みであるはずなのに、
それを自ら捨ててしまう。
これは、まるで、漫画『こち亀』で、
両さんがコンピューターを混乱させて勝利したエピソードを彷彿とさせます。
最新の音声技術でゲームを盛り上げながらも、
重要なヒント機能がポンコツだったという、この惜しさが、
またこのゲームのユニークな魅力だったのかもしれません。
柿木将棋のまとめ
なぜ遊んでほしいのか?
「一度でいいから、お姉さんの声で将棋を打ってみたい」。
そんな将棋愛好家にとっては、最高の体験が待っています。
何がそんなに面白いのか?
シンプルな将棋ゲームとして非常に完成度が高く、
コンピューターのレベルも調整可能です。
そして、何よりクリアな音声で対局が読み上げられる臨場感は、
他の将棋ゲームでは味わえません。
今急いで買う理由ってあるの?
このゲームは、あなたの自室を、まるで最高峰の対局場へと変えてくれます。
この感動は、実際に体験してみなければ分かりません。
「ごちゃごちゃした将棋ゲームは嫌だ」という人には、このシンプルな名作が最適です。
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