最強馬を育てるのではない。己の予想で勝利を掴む、ファミコン史上最も硬派な「競馬予想」ゲーム、ここにあり。
ゲームを愛する皆さん、競馬ゲームと聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
華やかな競走馬を育成し、G1レースを制覇する。
あるいは、天才ジョッキーとして、ターフの上で勝利を掴む。
多くの人が、そんな夢とロマンに満ちた世界を想像するでしょう。
しかし、今回ご紹介するファミコンソフトは、その常識を根底から覆します。
『井崎脩五郎の競馬必勝学』は、馬を育てるゲームではありません。
ジョッキーになるゲームでもありません。
これは、ファミコンという家庭用ゲーム機で、
ひたすら「馬券を当てる」という、
当時の常識では考えられないほどストイックな、
大人のための競馬予想シミュレーションなのです。
ファミコンで実現した、ガチの競馬予想シミュレーション
1990年にイマジニアから発売されたこのゲームは、
当時の競馬ファンに驚きと感動を与えました。
なぜなら、このゲームには実在の競走馬、そして実在のジョッキーのデータが、
ファミコンというハードの中に再現されていたからです。
ゲームの目的は非常にシンプル。
画面に表示される馬のデータ、ジョッキーのデータ、
そして4人の「予想屋」の予想を参考に、馬券を購入し、
ひたすらお金を増やしていくこと。
そして、馬券が外れたら消費者金融からお金を借りるという、
当時の競馬界のリアルな側面まで描かれていました。
驚くべきは、ゲーム制作者の熱意です。
「苦労して打ち込んだ競走馬のレースを、見ないなんて許さない!」
そんな強いこだわりがあったのでしょう、
このゲームは、レースを見終わらないと次のレースに進めないという、
非常に硬派なシステムでした。
これは、ただの予想ゲームではなく、
競馬の興奮そのものをファミコンで再現しようとした、
制作者の熱い思いの表れだったのではないでしょうか。
リセットをしたら天罰が下る、神聖なるギャンブルの世界
ギャンブルゲームにおいて、誰もが一度は考える「イカサマ」。
「もし外れたら、リセットしてやり直せばいいんじゃないか?」
そんな甘い考えを、私もこのゲームをプレイする中で抱きました。
私は、順調に資金を増やし、かなりの大金を手にしていました。
そして、あるレースで全財産を賭けて大勝負に出たのです。
もし当たれば、莫大な利益。
しかし、外れた時のために、私は密かにリセットボタンに指をかけていました。
そして、レースはまさかの敗北。
私は迷わずリセットボタンを押し、ファミコンの電源を入れ直しました。
すると、どうでしょう。
ゲームのデータが、見事に破壊されていたのです。
当時のファミコンソフトは、
電源を切る際に「リセットボタンを押しながら電源を切ってください」と
注意書きがありましたが、実際にデータが消えることは稀でした。
しかし、このゲームは
「レースの途中でイカサマでリセットボタンを押した」という、その行為自体を検知し、
天罰としてデータを破壊するシステムが組み込まれていたのです。
この衝撃的な体験は、
私の中に「ギャンブルの世界に安易なイカサマは通用しない」という
教訓を深く刻みつけました。
このゲームは、単に馬券を当てる面白さだけでなく、
ギャンブルという行為の持つ神聖さまでも教えてくれたのです。
このゲームのタイトルを冠する、伝説の予想家、井崎脩五郎氏。
このゲームでは、彼を含む4人の予想屋が、
レースごとに予想を発表してくれます。
そして驚くべきは、その井崎脩五郎氏の予想の的中率の高さ。
彼の予想に乗っかるだけで、
かなりの確率で馬券を当てることができたのです。
ゲームの意味合いとしては、
「井崎脩五郎さんにおんぶに抱っこ」という本末転倒な状況でしたが、
それもまた、このゲームの面白さでした。
「あのおじさん、本当にすごい人だったんだな」
ファミコンという小さな世界を通して、
私たちは競馬予想家の凄さを、身をもって体験することができたのです。
『井崎脩五郎の競馬必勝学』は、
ファミコンというプラットフォームで、
大人のための硬派なギャンブルシミュレーションを実現した、
時代を先取りしすぎた名作です。
安価な価格で、イカサマをした瞬間にデータを破壊されるという、
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