疑心暗鬼の修学旅行が、予想を裏切る傑作ミステリーに『ユーラシアエクスプレス殺人事件』
修学旅行って、本当に楽しい思い出ですよね!
私にとって一番の思い出は、
宿泊したホテルで売っていた大きなチーズケーキを、
友達6人でお金を出し合って夜中に食べたことです。
あの楽しさは今でも忘れられません。
そんな楽しいはずの修学旅行が、
まさか「悲しい旅」に変わってしまうアドベンチャーゲームがあったんです。
今回は、隣の友達が犯人かもしれない…
そんなトラウマ級の修学旅行を体験できる、
『ユーラシアエクスプレス殺人事件』の感想をお届けします。
『ユーラシアエクスプレス殺人事件』ってどんなゲーム?
1998年にエニックスからPlayStation向けに発売された本作は、
全編が実写で表現されたアドベンチャーゲームです。
物語の舞台は、
上海を出発し、中国大陸を西へと向かう豪華列車「ユーラシアエクスプレス」。
修学旅行中の生徒たちを乗せ、
順調に運行していた列車内で、突然悲鳴が響き渡ります。
そこには、胸を一突きされた先生の姿が…。
一体誰が
何のために?
犯人はまだこの車内にいるのか?
プレイヤーは、限られた時間の中で犯人を見つけ出すために奔走します。
ゲームシステムは、
昔ながらのオーソドックスなコマンド選択式アドベンチャーです。
列車内を移動しながら登場人物に質問を重ね、
事件のキーワードを集め、真相に迫っていきます。
『かまいたちの夜』が
自分で推理小説を読み進めるような体験だとすれば。
『ユーラシアエクスプレス殺人事件』は、
まるで自分がサスペンスドラマの主人公になったかのような没入感が味わえます。
さらに、当時の豪華な出演者も話題になりました。
まるで本当にドラマを見ているような感覚に!
「どうせ豪華な出演者だけが売りの、ぬるいアドベンチャーゲームでしょ?」と
侮るなかれ。
物語が進むほどに、どんどん引き込まれていく。
これはもう、絶対に遊んでほしい超名作アドベンチャーなんです!
時間と疑念が織りなす、最高の「緊迫感」
被害者となる「宇佐美先生」は、
なかなか癖のある人物で、
彼に恨みを持つ人物がかなりの割合でいることが判明します。
プレイヤーは、そんな怪しい人物たちから
事件のキーワードを聞き出し、真相に迫っていきます。
他の先生から聞いた情報を女子高生にぶつけてみたり
その反応から新たな情報を引き出したり
そうやって情報を集めることで、
この学園に一体何が起こっていたのかが、徐々に明らかになっていくんです。
そして、ここからがこのゲームの最も面白いシステムの始まりです。
このゲームでは、時間が常に流れています。
情報を聞いたり、電車を移動したり、行動するたびに時間が経過していきます。
そして、この時間が意味するものこそが、
「目的への到着時間」なんです。
なんと、あなたは
2時間以内に目的地に到着するまでの間に、
事件の犯人を見つけ出さなければなりません。
もし時間内に犯人を見つけ出せなければ、即ゲームオーバー!
列車が走っている間は犯人も逃げ出すことはできませんが、
駅に着いてしまえばどうにもならない…。
このハラハラドキドキの制限時間が、本作の最大の売りと言えるでしょう。
しかも、ゲーム中には
身長や体重、スリーサイズなど、
事件とは全く関係ない質問も多数用意されています。
これを聞くと自分の持ち時間がどんどん削られるのに、
「だけど、聞いてみたい!」というジレンマに陥るんです。
このバカバカしい部分も、絶妙なアクセントになっています。
事件が全く進まない
情報が全然集まらない
でも時間だけは刻一刻と過ぎていく。
そして、最高に腹が立つバッドエンドを迎える…。
そんな、時間制限のある珍しいタイプのアドベンチャーだからこそ、
一瞬たりとも気が抜けません。
あなたの隣にいるのは誰だ?「疑心暗鬼」が支配する世界
このゲームのもう一つの面白い点は、
登場人物全員が犯人である可能性を秘めているという点です。
「あの子は意外と嘘つき」「あの子は宇佐美先生と付き合っていた」など、
一見すると仲の良さそうな間柄でも、
実は誰もが腹の底では何を考えているか分からない。
そんな疑心暗鬼の世界が描かれています。
当然、登場人物たちはみな警戒心丸出し。
そこから、どうやって有益な情報を聞き出すのか?を、
必死に探っていくことになります。
協力する気なんて全くありませんからね。
「どうせ目的地に着けば助かるでしょ」と、
事件解決に乗り気でない態度には、
思わず「意地でもクリアしてやる!」と燃えてしまいます。
最初は警戒していた彼女たちも、
主人公に心を開いてくれるようになりますからね。
その積み重ねが本当に素晴らしく、
「最後まで遊んでよかったな」と心から思えるでしょう。
こんがらがった巨大な糸の塊を、
丁寧に、丁寧に、ほどいていく。
一つの謎が解けたら、そこを突破口に新たな謎を解いていく。
この繰り返しが、とんでもない快感に繋がっていくんです。
買ってきたその日に、時間を忘れてエンディングまで遊んでしまった。
そんな超名作アドベンチャーを、ぜひあなたも体験してみてください。
『ユーラシアエクスプレス殺人事件』まとめ
何がそんなに面白いのか?
このゲームは、
エンディングを見た後にもう一度遊びたくなる作品です。
犯人を知ってから遊ぶことで、
初めてのプレイでは見えなかったものがどんどん見えてくる、
奥深い構成になっているんです。
「ああ、ここで、あの登場人物がこんな行動をしていたんだ!」なんて感じで、
2周目だからこそ面白い部分もたくさん用意されています。
そんな部分も含めての
『ユーラシアエクスプレス殺人事件』なので、
事前情報を入れずに、まっさらな気持ちで遊ぶことを強くおすすめします!
今、急いで買う理由とは?
このゲーム、実はそれほど有名ではありません。
当時はそれなりに話題になりましたが、
今の時代に語り継がれるほどの有名作品とは言えないでしょう。
だからこそ、私もノーマークだったんです。
そんな作品をたまたまゲットし、たまたま遊んだ結果…。
完全に心を奪われましたね。
「オホーツクに消ゆ」並み、と言えば、
熱心なファンに怒られるかもしれませんが。
私にとっては
『オホーツクに消ゆ』と同じくらい感動できました。
だから、『オホーツクに消ゆ』ファンの方は、
ぜひ一度プレイしてみてください。
きっと、この感動に共感してもらえるはずです。
どちらもプレイしたことがない方は、
この機会に『オホーツクに消ゆ』も一緒にどうぞ!
こんな名作を、このまま隠しておくのはもったいない!
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