モノノフ的ゲーム紹介

モノノフ的にいろいろなゲームを解釈して行きます

タスマニア物語 王道のアクションゲーム二本を 豪快に合体させる

タスマニア物語:映画とゲームの奇妙な融合、そして中毒性の高いアクションパズル

昔のゲームには、

原作があるのに「タイトルだけを借りてプレイヤーを欺く」という、

今では考えられないような大胆な手法が存在しました。

 

その究極の例が、

球漫画『タッチ』を、意味不明かつほぼクリア不可能な

アクションゲームに仕立て上げたという伝説でしょう。

 

今回ご紹介する『タスマニア物語』も、

まさにその系譜に連なる一本。

 

1990年にポニーキャニオンからゲームボーイ向けに発売された本作は、

田中邦衛さん主演の映画『タスマニア物語』(映画音楽は久石譲さん!)を

ゲーム化した作品…なのですが。

 

その実態は、まるで別のゲームのようです。

 

しかし、その“潔いまでのパクリっぷり”が、

結果的に中毒性の高い名作アクションパズルゲームを生み出したのです。

 

 

王道アクションゲームが豪快に合体!映画はどこへ?

 

ゲームの目的は、

ステージ内に隠された5種類の動物を集めること

 

システムは、アクションとパズルが融合した斬新なもので、

マッピーのトランポリンアクションと、

パックマン』のように画面上のアイテムを食べていくアクションが同時に楽しめる、

まさに「二度おいしい」ゲーム体験ができます。

 

ステージにはトランポリンが用意されており、

「3回踏んでしまうと壊れる」というユニークなルールが、

パズル要素に奥深さを加えています。

 

敵が襲いかかってきたら、

上の段から落下して踏みつけるか、爆弾を設置して撃退します。

 

敵を一定数踏むことで隠しアイテムとして動物が出現し、

それらを集めるのが目標です。

 

どうやって敵から逃れるか、どうやって敵を撃退するか…といった

昔ながらのアクションゲームの醍醐味が詰まっています。

 

 

映画は添えるだけ?まさかの「リメイク詐欺」に潜む面白さ

 

おそらく、このゲームを手に取った人の大半は

「映画『タスマニア物語』が好きだから」という理由だったことでしょう。

 

しかし、その期待は

ゲーム開始数分で無残にも打ち砕かれます

 

主人公は、どう見ても田中邦衛さんには見えませんし、

襲ってくる敵はただただ不気味な生物。

 

ストーリーも皆無で、

最初に5秒ほどの短いオープニングが流れるだけで、

あとは映画とは完全に無関係なゲームが始まります。

 

それもそのはず、

本作は1984年に発売された『フルーツパニック』のリメイク作品なのだとか。

 

つまり、『フルーツパニック』に

タスマニア物語」のフレーバーを付け加えただけだったというわけです。

 

当然、当時の評価は「最悪」だったそうですが、

驚くべきことに、この「王道アクションゲームの二段重ね」は、

まさかの大成功を収めています。

 

あのハラハラドキドキ感は、

本家『マッピー』にも負けないほどの凄さがありました。

 

映画の名前を借りたことについては疑問符がつきますが、

それでもこのゲームが秘めていた面白さは、まさに本物だったと言えるでしょう。

 

 

圧倒的難易度「ファストモード」:腕試しに挑め!

 

タスマニア物語』には、

「スローモード」と「ファストモード」の2種類が用意されています。

 

スローモードと名付けられていますが、

実質的にこちらが基本となるモードです。

 

なぜなら、ファストモードの難易度が異常だからです。

 

ファストモードは、

その名の通り敵の動きが尋常ではありません。

 

スローモードの

3倍くらいの速さで襲いかかってきます。

 

スローモードでは考える余裕があったのに、

ファストモードでは、考えた瞬間にゲームオーバー…。

 

それくらい、激烈なアクションゲームへと変貌するのです。

 

当時、ファストモードをクリアすると、

キーワードが表示され、

それを送るとプレゼントがもらえるというキャンペーンがあったそうです。

 

プレゼントがもらえるとなれば、

多くの子供たちが挑戦したことでしょう。

 

しかし、その圧倒的な難易度は、

ほとんどのプレイヤーを跳ね返したに違いありません。

 

私も1時間ほどプレイしましたが、

ステージ3くらいまでしか進めませんでした。

 

ここから動物を集めるためのノルマを達成していくわけですから、

いかに厳しいかが身にしみてわかります。

 

もう少し簡単でも良かったのでは、と思うほどでした。

 

 

今こそ遊んでほしい!王道パクリゲーの真髄

 

マッピー』が好きなら、そして『パックマン』が好きなら、

このゲームは間違いなく楽しめるでしょう。

 

ただし、『タスマニア物語』の映画が好き、という理由で買うと、

あなたは「詐欺だ!」と感じるかもしれませんね。

 

しかし、難しいゲームほど燃え上がるのがゲーマーの性。

 

さあ、あなたも「マッピー」と「パックマン」が豪快に合体した、

この最高にユニークなアクションパズルゲームの世界に飛び込んでみませんか?

 

 

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