夢の鉄道王を目指せ!だが、その道のりは爆破の連続だった…『A列車で行こう』

シミュレーションゲームというのは、
私たちが現実では叶えられない夢を形にする最高のツールです。
中国全土を制覇したり、最強のプロ野球チームを作ったり。
そして、鉄道ファンにとっては、
自分だけの鉄道会社を立ち上げ、街を発展させるという壮大な夢があります。
1991年にポニーキャニオン(開発:アートティング)から発売された
このゲームは、鉄道オタクの夢を叶えるはずでした。
しかし、その道のりは想像を絶する困難に満ちていたのです。
荒れた大地から大都市へ:鉄道シミュレーションの原点
『A列車で行こう』の目的は、
荒れ果てた大地に線路を敷き、駅を建設し、列車を走らせて街を発展させることでした。
ゲームの流れはシンプルかつ現実的です。
まずは線路を敷き、駅を立てる。
列車が走ることで住民が移住してきて、街が発展します。
しかし、線路や駅の建設には資金が必要。
資金を稼ぐためには、さらに多くの住民を呼び込み、大都市へと育てていくという、
鉄道をメインとしたシムシティのようなシステムでした。
シリーズは今でも大人気ですが、
その原点であるファミコン版には、後のシリーズにはない独特の「辛さ」がありました。
鉄道王の夢を砕く「最悪の操作性」
その答えは、ゲームの操作性が異常なほどに困難だったからです。
このゲームのメインである「線路を引く」作業が、最も困難な作業でした。
通常のゲームなら、
引く方向に十字キーを押すだけで線路を引けます。
しかし、『A列車で行こう』では、
十字キーに加えてボタンを押すという複雑な操作が要求されました。
これがプレイヤーにとって致命的なストレスとなりました。
特に、列車が運行している最中に線路を引く作業は、まさに神経を使う拷問です。
ボタン操作を少しでもミスすると、一瞬で列車が大爆発してしまうからです。
このゲームは、『新幹線大爆破』と例えられるほど、
簡単に列車が爆発する恐ろしい作品でした。
線路が中途半端だったり、
自分の列車と接触したりするだけで、高価な列車が一瞬で瓦礫と化します。
「線路を引いて街を発展させるぞ!」と意気込んで作業していると、
「あ!ミスって変な方向に線路を引いちゃった…」となり、
背後から迫りくる列車に追いつかれ、回避不能の爆発を迎えます。
この操作性の悪さゆえに、プレイヤーは列車から逃げ切ることができませんでした。
セーブデータに残された狂気の痕跡
中古で購入した際に残っていた、前のプレイヤーのセーブデータが、
このゲームの恐ろしさを物語っていました。
そのデータは、線路が無茶苦茶に敷かれ、
列車がプレイヤーを追い掛け回している状態で終わっていました。
これは、多くのプレイヤーが味わった、
理不尽な操作性に対する怒りの痕跡だったのでしょう。
ゲームのシステム自体は、
鉄道シミュレーションとして非常に面白かっただけに、
操作性さえ改善されていれば、間違いなく歴史に残る名作となっていたはずです。
感動と挫折の狭間で
『A列車で行こう』は、
鉄道ファンに夢を見せながらも、その操作性で多くのプレイヤーを挫折させました。
しかし、この困難を乗り越えて街を発展させた時の達成感は、
何物にも代えがたい感動を生み出したに違いありません。
後のシリーズでは操作性が格段に向上し、
シミュレーションゲーム本来の楽しさをシンプルに味わえるようになりました。
しかし、ファミコン版『A列車で行こう』で味わった理不尽な爆発と、
それでもなお夢を追いかけたプレイヤーたちの情熱は、
レトロゲーム史に刻まれるべき壮大な物語なのです。
操作性が最高だったら、きっと凄いことになっていたであろう名作
『A列車で行こう』
この狂気と情熱に満ちた鉄道シミュレーションを、ぜひ体験してみてください。
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