麻雀は「運」のゲーム?その常識を覆す、硬派なトレーニングシミュレーター
「将棋には詰め将棋、囲碁には詰め碁がある。じゃあ、麻雀には何があるんだろう?」
麻雀は「運の要素」が強いゲームだと考えている人は多いでしょう。
しかし、本当にそうでしょうか?
今回ご紹介するのは、麻雀が単なる運任せのゲームではないことを、
私たちに教えてくれる硬派な一作。
『プロ麻雀・極』
これは、初心者向けではありません。
「これから麻雀を極めたい!」と願う、すべての真面目な雀士たちに贈る、
最高のトレーニングソフトです。
娯楽を排除した、真剣勝負の世界
1993年にアテナから発売された『プロ麻雀・極』は、
スーパーファミコンに登場した麻雀ゲームです。
このゲームの目的は、シンプルかつストイック。
「実在する麻雀のプロたちと、真剣に麻雀を楽しむ」こと。
ストーリーモードやイカサマアイテムといった、
娯楽的な要素は一切ありません。
まるで、本物の対局場に足を踏み入れたかのような、
研ぎ澄まされた雰囲気がこのゲームにはあります。
用意されたモードは、以下の3つです。
- ノーマルモード: シンプルな麻雀対局を楽しむモード。
- チャレンジモード: 「半荘4回で80000点を目指す」といった、厳しい条件をクリアしていくモード。
- トレーニングモード: 麻雀の問題を解き、自分の実力を高めるモード。
特に、チャレンジモードは、
一発逆転が起こりにくい公式ルールが採用されており、
他の麻雀ゲームよりも難易度が格段に高く設定されています。
「本格志向」を掲げ、徹底的に娯楽性を排除したこのゲームは、
RPGでいう『ロマンシングサガ』、シューティングでいう『グラディウス』のように、
簡単なゲームでは物足りない、上級者向けの硬派な作品なのです。
「何を切る?」麻雀の真髄を学ぶトレーニングモード
このゲームの最も革新的なシステム、それが「トレーニングモード」です。
多くのゲームでは、
トレーニングモードといえば操作方法を学ぶ場所です。
しかし、麻雀のトレーニングモードは一味違います。
将棋や囲碁に「詰め」の問題があるように、
麻雀にも「次に何を切る?」という問題があります。
この問題の凄いところは、答えが一つではないこと。
その場の状況に応じて、何通りもの正解が考えられます。
そして、その選択一つで、その後の展開が大きく変わるのです。
私も、このトレーニングモードを初めてプレイした時、
自分の麻雀の腕がどれほど未熟かを思い知らされました。
「この牌を切るのがセオリーだろうな…」→不正解。
「流石にこれは正解だろ…」→またしても不正解!
これまで「早く上がる」ことばかり考えていた自分が、
いかに視野が狭かったか。この問題を通して、痛感させられました。
麻雀の真の強さとは、
「早く上がるタイプ」と「高い点数を狙うタイプ」を、
状況に応じて使い分けることだったのです。
序盤はしっかり点数を稼ぎ、後半は軽い役でさっと上がる。
このトレーニングは、私の麻雀に対する価値観を根本から変えてくれました。
「何を切る?」というシンプルな問いが、麻雀の奥深さを教えてくれる。
まさに、最高のトレーニングモードです。
リアルだからこその試練と、その先の進化
『プロ麻雀・極』のメインモードであるチャレンジモードは、非常にタフです。
なぜなら、条件達成のためには「半荘4回」をプレイしなければならないからです。
約90分にも及ぶ長丁場。途中で失敗すれば、それまでの努力は水の泡です。
このストイックさは、
麻雀の「最後の最後まで気が抜けない」というリアルさを追求した結果でしょう。
しかし、このゲームの挑戦的な精神は、その後の作品でさらに進化します。
シリーズ続編の『プロ麻雀・極NEXT』(プレイステーション2版)では、
なんと『アカギ』や『カイジ』の漫画家、福本伸行氏が対局者として登場。
さらに、ゲームをクリアすることで
「透明な麻雀牌」で遊べるようになるなど、ユーモアも加わり、
より多くの人に愛される作品へと発展していきました。
かつてはプレミア価格で取引されていたこのシリーズも、
今では手頃な価格で購入できます。
「麻雀なんて運のゲームでしょ?」
もしそう思っているなら、ぜひこの『プロ麻雀・極』をプレイしてみてください。
あなたの麻雀に対する価値観は、きっと変わるはずです
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