ハードボイルドの真髄ここにあり!『探偵・神宮寺三郎 横浜港連続殺人事件』
『探偵・神宮寺三郎 横浜港連続殺人事件』
ハードボイルドな世界観と難易度の高い推理アドベンチャーの融合により、
多くのコアなゲーマーを魅了しました。
本作は、その中でもファミコンで手軽に楽しめる一本です。
行方不明になった婚約者を探す依頼をきっかけに、
大規模な密輸事件の真相に迫る主人公、神宮寺三郎。
彼は、タバコと酒をこよなく愛する、まさに渋い探偵です。
八カ国語を操る優秀な相棒、御苑洋子と共に、複雑な事件の謎を解き明かしていきます。
「タバコを吸う」ことで推理を進める異色のシステム
本作は、お馴染みのコマンド選択式アドベンチャーゲームです。
「捜査に行く」「聞き込み」「調べる」といったコマンドを駆使してヒントを集めますが、
ただヒントを集めるだけでは事件は進展しません。
ここで重要になるのが「タバコを吸う」というコマンドです。
神宮寺三郎は、タバコを吸うことで脳が活性化し、
事件の推理を組み立てるという、異色の能力(?)を持っています。
集めたヒントを基に、テスト形式で出される質問に答えることで、
プレイヤーは神宮寺の頭の中で推理を進めていくことになります。
事件に行き詰まったらタバコを吸い、
新たなヒントが得られたらまたタバコを吸う…という、
現代の感覚からすれば「100%クレームが来そうな」主人公の行動が、
このゲームの最大の魅力の一つです。
また、タバコだけでなく、
お酒の味を確かめるためにビールで口をリセットしてから飲み直すなど、
徹底したハードボイルドな描写は、
ファミコンとは思えないほどの渋さを醸し出しています。
渋い世界観と魅力的なキャラクター
このゲームの魅力は、
ハードボイルドな主人公だけではありません。
優秀で愛らしい相棒の洋子、
そして事件の推理をかく乱する個性的な登場人物たち。
彼らは皆、思わず「この人が犯人だ」と疑ってしまうような、
悪人顔の持ち主ばかりです。
難解な事件を、
何気ないヒントの積み重ねで解決していくプロセスは、
まるで2時間ミステリーを見ているかのようです。
ガッツリ腰を据えてプレイするだけでなく、
ちょっとした空き時間に気軽に楽しめる手軽さも、このゲームの魅力です。
今すぐハードボイルドな世界を体験するには
「探偵・神宮寺三郎」シリーズは、
後にプレイステーションで発売された『探偵・神宮寺三郎 アーリーコレコション』に
収録されており、PS3などでもプレイ可能です。
ファミコンというプラットフォームでありながら、
「どう考えても小学生が遊ぶ世界観ではない」と感じさせる、
濃厚で渋いアドベンチャーゲーム。
そんな神宮寺三郎のハードボイルドな世界観を、
今こそ体験してみてはいかがでしょうか。
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