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ありそうでなかった!エヴァンゲリオンの格ゲー『バトルオーケストラ』レビュー

ありそうでなかった!エヴァンゲリオンの格ゲー『バトルオーケストラ』レビュー

 

ジャズを聴くと、私はいつも悲しく、そして切ない気持ちになります。その理由がずっと分からずにいましたが、おそらく、それはエヴァンゲリオンのエンディングのせいでしょう。切ないジャズが流れる中で幕を閉じるあの最終回は、「もう終わってしまうんだ」という悲しさと、「素晴らしい物語だったな」という切なさを同時に味わせてくれました。他のジャズを聴くたびに、あの時の感情が今でも鮮明に蘇るのです。

やはり、エヴァンゲリオンは本当にすごい作品だと改めて感じます。そんなエヴァンゲリオンの世界で、これまでのシリアスなアドベンチャーとは一線を画す、爽快感抜群の格闘ゲームが登場しました。それが、2007年にブロッコリーからPlayStation 2向けに発売された**『新世紀エヴァンゲリオン・バトルオーケストラ』**です。

 

新世紀エヴァンゲリオン・バトルオーケストラ』とは?

本作は、大人気アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を題材とした格闘ゲームです。プレイヤーは主人公の碇シンジとなり、格闘ゲームをクリアしながら原作のストーリーを追体験していきます。

ゲームシステムは非常にシンプルで、複雑なコマンド入力は一切不要。ボタンの組み合わせでコンボを繋ぐことができ、格闘ゲーム初心者でも気軽に楽しめる設計になっています。

しかし、そのシンプルさとは裏腹に、ステージには様々なギミックが満載です。エヴァと同じサイズの巨大なサメが水中を泳いで攻撃してきたり、陸上自衛隊の戦車がステージに配置されて容赦なく撃ちまくってきたり、コンテナからは武器や回復アイテムが出現したり、上空からは大量のミサイルが降り注いだり…と、とにかくド派手な演出が連続します。

最大4人まで同時にキャラクターを出すことができ、まるでエヴァンゲリオン版**『大乱闘スマッシュブラザーズ』**のような感覚で楽しめます。あっちで殴り合い、こっちで殴り合い、そんな「わちゃわちゃ感」が最高に楽しいのです。「エヴァンゲリオンで格ゲーが遊びたい」――そんなファンの願いを叶えるために生まれた、シンプルな操作が魅力の新感覚格闘ゲームでした。

 

お金を稼いで大量の使徒をコレクション!

このゲームでは、敵を素早く、そしていかに被害を抑えて倒すかによって得られる金額が変わる、面白いシステムが採用されています。敵を倒すことで、時には500億円といった莫大な金額が手に入り、そのお金を使って多くの隠しキャラクターを購入できるやり込み要素が最大の魅力です。

最初は使用できるキャラクターが少ないのですが、お金を貯めることで、これまで敵として立ちはだかった使徒たちを操作できるようになります。使徒を集めるという、エヴァンゲリオンファンの夢が詰まったコレクション要素は、本作ならではの醍醐味でしょう。

安価な使徒は1,000億円ほどで購入できますが、中には3兆円という破格の値段が設定されている使徒も存在します。そんな高額な使徒を必死に集めていくのも、本作の大きな楽しみの一つです。使徒だけでなく、エヴァンゲリオンのパワーアップバージョンや、BGM、キャラクターボイスなども購入でき、すべてをコレクションするにはかなりの時間が必要となります。エヴァンゲリオンを心から愛する人にこそ、ぜひプレイしてほしい作品です。

 

最強は「ガギエル」!?エンドレスモードで効率よく稼ぐ

本作には、体力が続く限り敵を倒し続けるエンドレスモードがあり、これが効率的にお金を稼ぐのに最適なモードでした。ストーリーモードでは少額しか稼げないのに対し、エンドレスモードでは短時間で大量のお金を得ることができます。

しかし、このゲームの難易度は非常に高く、エンドレスモードも例外ではありません。コンピューターのAIがかなり高性能に設定されており、「むずかしい」モードに至っては、クリアさせる気がまるでありません。さすがエヴァンゲリオンのゲームといったところでしょうか。

そんな中で、「どのキャラクターが効率的に稼げるか?」と考えた末にたどり着いたのが、高性能なビーム攻撃を持つ**「ラミエル」**でした。格闘ゲームでは遠距離攻撃ができるキャラクターが強く、回復できないサバイバルモードでは特に、遠くから少しずつ攻めるのが定石です。ラミエルを使えば、それまで7体程度しか倒せなかったのが、一気に13体まで記録が伸び、「これは完璧だ!」と思いました。

しかし、ラミエルは接近戦に弱く、敵の圧倒的なスピードに近づかれるとあっという間にやられてしまうリスクがありました。敵が強くなるにつれて、量産型エヴァンゲリオンまでしか到達できないという壁にぶつかったのです。

そこで目をつけたのが、魚型の使徒**「ガギエル」**でした。原作ではアスカの初陣における「噛ませ犬」的な存在で、あまり印象に残らない使徒でしたが、このゲームではかなりのチートキャラクターでした。

ガギエルの何がすごいのか?それは、相手を溺れさせることができた点です。

このゲームには「覚醒」という特殊技があり、初号機が暴走したり、ラミエルが時間を止めたりと、キャラクターごとに様々な特徴が用意されています。その中でガギエルの覚醒技は、ステージを水で満たし、その間、相手の体力を減らし続けるというものでした。ガギエルは魚型なので水中でも活動できますが、他のキャラクターは呼吸ができずにそのまま溺れていくのです。

この能力が強力なのは、複数の敵をまとめて相手にできるからです。通常は1対1のバトルですが、特定の相手では初号機、零号機、弐号機のチームや、参号機と四号機のチーム、量産型エヴァンゲリオンのチームなど、こちらが1人なのに相手は3体という理不尽な状況も発生します。そんな複数の相手と戦う時に、ガギエルの必殺技が最大限に効果を発揮します。

覚醒して画面を水で満たし、遠くから超音波攻撃で距離を取り、相手が溺れるまでひたすら耐える。この戦法を編み出した時には、26体という驚異的な記録を叩き出し、7,000億円もの大金を手に入れることができました。

ちなみに、このゲーム最強の使徒ゼルエル」は3兆円もするので、序盤は手が出せません。その点、ガギエルは比較的安価で購入できるため、序盤はガギエルに頼り、ゼルエルが購入可能になったらゼルエルに切り替えるのが黄金パターンと言えるでしょう。(何十体も敵を倒さないと隠しキャラが買えないシステムでしたからね)。

主役のエヴァンゲリオンよりも、敵である使徒を最強キャラクターにするという、そんな「イカれた」格ゲーをぜひ楽しんでみてください。

 

新世紀エヴァンゲリオン・バトルオーケストラ』は今すぐ買うべき?

このゲームでは、原作ではエヴァンゲリオンに乗ることのなかった「相田ケンスケ」にまでスポットライトが当たり、彼が「エヴァンゲリオン四号機」を乗りこなす姿を見ることができます。エヴァパイロットに憧れていた少年が、遂にパイロットになるという展開は、ファンにとって感動的です。まさにエヴァンゲリオンオールスターゲームとして楽しむべき作品と言えるでしょう。

エヴァンゲリオンだけでなく、敵である使徒までも操ることができるのは本当に楽しい体験です。ジェットアローンは弱かったりと、原作のキャラクター性がゲームにも反映されている点も納得できます。「あの使徒はどんな攻撃をするのだろう?」そんな疑問を抱きながら、お金を稼いで買い集めていくやり込み要素も存分に楽しめます。

エヴァンゲリオン格闘ゲームが楽しめる、これだけで最高だと思いませんか?本格的な格闘ゲームとしては不満もあるかもしれませんが、自分自身で使徒を操れるのは、エヴァンゲリオンファンにとって最高のご褒美です。

「お金が稼げない?」だったら、エヴァを溺れさせましょう!そんな「イカれた」世界をぜひ体験してみてください。

この「ガギエルが異様に強すぎるイカれた格ゲー」こそが、

今すぐ購入する理由です。

 

 

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