豪雨がすべてを破壊する。リアルを追求しすぎた、孤高のF1シミュレーター

あなたは、レースゲームをプレイする時、どんなスタイルですか?
私は、長時間プレイすると目が乾いてしまうため、
ついついプレイ時間を気にしてしまいます。
「扇風機を付けて、風を感じながらプレイする」なんていう
通な楽しみ方もあるそうですが、きっと目が乾いて大変なことになるでしょうね。
しかし、今回ご紹介するゲームは、そんな現実の不快感など気にならないほど、
プレイヤーを熱中させる魔力を持っています。
シンプルに見えて、その実、驚くほど複雑。
そして、たった一つの現実的な要素が、すべてを破壊する。
『バトルグランプリ』
これは、スーパーファミコンに登場した、
リアルを追求しすぎた結果、とんでもない難易度になった、孤高のレースゲームです。
細かすぎるセッティングが、メカニックの心をくすぐる
1992年、ナグザットから発売された『バトルグランプリ』は、
全24コースを舞台に、F1レーサーの頂点を目指すレースゲームです。
基本的なシステムは、
アクセル、ブレーキ、シフトチェンジといった、オーソドックスなもの。
しかし、このゲームが他のレースゲームと一線を画しているのは、その「セッティング」の奥深さです。
他のゲームでは、せいぜい「エンジン」と「タイヤ」を選ぶくらいですが、
『バトルグランプリ』では、まるで本物のF1メカニックになったかのように、
細部までマシンを調整できます。
- ダウンフォース: 高速での安定性を重視するか、加速を重視するか。
- ステアリング: ハンドルをクイックにするか、マイルドにするか。
- タイヤ: 路面に合わせて、ハードかソフトか。
- サスペンション: 車体の揺れを調整し、コーナリングの安定性を高めます。
- ブレーキ: フット、エンジン、オートの3種類から選び、効き具合も調整可能。
- ミッション: オートマとマニュアルはもちろん、ギアの段数まで設定できます。
しかも、これらの設定は、50段階にも及ぶ細かいメモリで調整可能。
コースごとに最適なセッティングを考え、
自分だけのオリジナルマシンを作り上げていく楽しさは、
まさにメカニックの心をくすぐる最高の体験でした。
この奥深いセッティングシステムは、ゲームの難易度設定にも活かされています。
- エキスパート
- プロフェッショナル
- ビギナー
モードを変えるだけで、ゲームのスピード感がガラリと変わるのも斬新でした。
雨が降ったらすべてが終わる、あまりにもリアルな世界
このゲームは、プレイヤーに「リアル」を追求する喜びを与えてくれます。
しかし、そのリアルさが、
時としてプレイヤーを絶望の淵に突き落とすのです。
レース中に、空が曇り始め、やがて土砂降りの雨が降ってくることがあります。
最初は、ただの演出だと思っていました。
しかし、ライバルレーサーたちは、
雨が降った途端に次々とピットインしていきます。
「今がチャンス!ここで一気に差をつけよう!」
そう思った矢先、私はタイヤの山に激突し、あっけなくリタイアしました。
実は、このゲームでは、
雨が降ったら「レインタイヤ」に交換しなければならないという、
シビアなルールがあったのです。
それまで、ギリギリのコーナリングでライバルを抜き去っていたのに、
雨が降ればブレーキは全く効かなくなり、時速340kmでコースアウト。
これが、トップを走っている時に起きたらどうでしょうか?
「お願いだから、もう少しだけもってくれ…!」
そう願いながら、雨で滑る路面を必死に安全運転でピットを目指す。
その間にも、ライバルたちはどんどん追い抜き、気づけば最下位に転落…。
他のレースゲームではありえない、このシビアな現実が、
このゲームの最大の魅力であり、そして最大の難所でした。
『スーパーマリオカート』が発売される約半年前、
この『バトルグランプリ』は「リアルなレースゲーム」を追求しました。
しかし、そのリアルさが、
当時の子供たちにとってはあまりにも難しすぎたのかもしれません。
結果的に『スーパーマリオカート』が天下を取りましたが、
このゲームの挑戦的な精神は、今でも色褪せることはありません。
今、このゲームを手に取るべき理由
「レース中に雨を降らせて、事故らせたら面白くない?」
そんな、ゲーム開発者のリアルへのこだわりが、最高の形で裏目に出た作品です。
もし、あなたが「難しいレースゲームが好きだ!」というチャレンジャーなら、
ぜひ一度このゲームをプレイしてみてください。
雨が降っただけで、これまでの努力が台無しになる感覚。
しかし、その絶望を乗り越えた時の喜びは、他のゲームでは味わえない、
特別なものです。
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