あと一歩で名作になれた センスは一流、ゲームバランスは二流の海賊シミュレーター

【お宝を奪って、子分を育成して、最高の海賊になっていく。そんな熱さが強烈】
最近、私は過去に熱中したゲームだけでなく、
新しいゲームも積極的にプレイしています。
数年前に見かけてからずっと気になっていた、
プレイステーションのゲーム『進め!海賊』を、ついにプレイすることができました。
見つけた瞬間に「ヤバい、遊びたい!」と心惹かれたこの作品の感想を書いていきます。
1998年にアートディンクから発売された本作は、
アクションとシミュレーションが融合した異色の海賊ゲームです。
まるで『大航海時代』の海賊パートだけに特化したような作品で、
プレイヤーは大海賊の息子「ロジャー」か、
その妻「サラ」のどちらかを選び、世界にその名を轟かせていきます。
シンプルながら奥深い、海賊の日常体験
ゲームシステムは非常にシンプルです。
船を動かすシミュレーションパートと、
敵と戦うアクションパートの2つに分かれています。
- シミュレーションパート:マップ上の船や街をクリックするだけで移動できます。交易や船の強化といった複雑な要素は一切なく、ひたすら敵を倒すことと、イベントを進めることに特化しています。
- アクションパート:敵船との海戦が始まると、プレイヤーは船を操作し、大砲で敵を攻撃します。敵船のライフをゼロにすれば、白兵戦に突入して勝利となります。
このゲームの最大の魅力は、「子分の育成」です。
手に入れた財宝を酒場で「食事」として子分に与えることで、
体力や攻撃力といったステータスが上がっていきます。
財宝自体が経験値のような役割を果たすため、
どんどん強くなっていく子分たちを見ているだけで、ひたすらにお宝を集めたくなります。
最高の海賊体験を台無しにする、ゲームバランスの破綻
本作は、ストーリーや育成システムといった
「センス」の部分は非常に優れています。
個性的な仲間やライバルたちとのドラマは、
まるでアドベンチャーゲームのように熱く、続きが気になって仕方がありませんでした。
しかし、このゲームには致命的な欠点がありました。
それが、ゲームバランスの破綻です。
海戦では、まず大砲で敵船を攻撃し、
敵のライフをゼロにする必要があります。
しかし、この海戦パートは30秒以内に敵を倒すか、
自分が倒されるかという非常にシビアなバランスになっています。
しかし、このゲームには「白兵戦に持ち込めば99%勝てる」という、
とんでもない仕様が存在します。
敵のライフをゼロにする必要はなく、
タイミングが合えば強引に敵船に横付けして、そのまま白兵戦に持ち込めるのです。
どんなに敵が強くても、こちらのライフがわずかしか残っていなくても、
白兵戦に突入できればほぼ勝利が確定します。
これにより、本来の海戦という醍醐味は薄れ、
いかに敵の砲撃をかわして横付けするか、というゲームに変わってしまいました。
せっかく子分を育てても、アクションパートがほぼ無意味になるという、
非常にもったいないバランスです。
まとめ:なぜ今、この惜しい名作を遊ぶべきなのか?
- 濃厚なストーリー
5時間程度でクリアできる短いゲームですが、
イベントシーンの演出やキャラクターの魅力は非常に高く、
まるで濃厚なアドベンチャーゲームをプレイしているようです。
- シンプルなゲーム性
交易や複雑なシステムがないため、難しいことを考えずに海賊生活を満喫できます。
サクッと遊んで終われるゲームを探している人にはぴったりです。
- 海賊になりたいという夢
海賊をテーマにしたゲームは、『ワンピース』や『大航海時代』など、
意外と多くありません。
この『進め!海賊』は、その数少ないジャンルに属する、決してクソゲーではない、
惜しい傑作です。
もし、ゲームバランスが調整され、アクションパートがまともだったら、
間違いなく傑作になっていたでしょう。
そんな「もしも」を想像しながらプレイするのも、また一興です。
海賊に憧れる人は、ぜひ一度、このゲームを手に取ってみてください。
意外と癖になるかもしれません。
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