主人公は悪の組織の大幹部 そんな発想力も最高でした
[最初はバカゲー、最後は号泣 素晴らしすぎるシミュレーション]
1998年発売
ジャンル シミュレーション
参考価格 この記事を書いた2016年当時は2310円 今は3250円
記事のネタバレ度 高め
攻略に必要なプレイ時間 20時間
このゲームに対する世間の評価 戦隊シリーズあるあるをお楽しみください
どんな人におすすめ? 特撮ヒーロー好きには絶対に遊んでほしいな
この世には悪というものが存在します。
なんでも、蟻の巣には
70%の働きアリと
30%のサボる蟻が居るのだそうです。
そんな、「全く仕事をしないサボる蟻」だけで
新たな蟻の巣を作るとどうなるのか?
70%は真面目な働きアリに戻るのだそうです。
それと逆も同じで
70%の蟻だけで巣を作っても、30%は全く働かなくなる。
そんな事が、人間界における善と悪の関係だと、
こち亀で読みました。
そんな世界なので
どんなに悪を成敗しても、次なる悪が誕生してくる。
もしくは
70%は必ず正義の世界、だという意味でもあります。
そんな、正義と悪を題材にした、
熱いヒーローのゲームがあったんです。
そんな今回の
「正義のヒーローになろう」…では無く
「そんな、正義のヒーローを倒そう」という狂ったゲーム
秘密結社Qの感想です。
秘密結社Qとはどんなレトロゲーム?
この秘密結社Qですが
1998年にライトスタッフから発売された
プレイステーション専用のシミュレーションゲームでした。
ゲームの目的は
悪を滅ぼすための、正義のヒーロー…では無く
いつもは正義のヒーローにやられている
「悪の組織の大幹部」となり
世界を破壊するために、
改造人間軍団を指揮して進んで行く。
今までに無いタイプの、ダークすぎるゲームでした。
ゲームのシステムは
オーソドックスなシミュレーションゲームで
似たタイプのゲームで言いますと
「スーパーロボット大戦」や「ファイアーエムブレム」に似た
シミュレーションRPGのシステムでした。
最初は、「幼稚園のバスジャック」という
戦隊シリーズお約束の展開で進み。
「もう少しで任務達成かな」と思った時に
任務達成を阻むために、
正義の味方がさっそうと現れるという訳です。
正義のヒーロー
「ライオット」の強い事といったらもう
1対10でも、平気で蹴散らしてくる
圧倒的な強者でした。
そんな展開が
シナリオごとに、コミカルに繰り広げられていきますので。
初めて「秘密結社Q」を購入した時は
完全にバカゲーだと思っていたんです。
しかし、ゲームのストーリーが進む事に
ヒーローの過去や主人公の過去が分かっていき
物語はシリアスな展開へと進んで行く…。
悪の組織の幹部として、世界を滅亡させていく
秘密結社Qという痺れるシミュレーションゲームなのでした。
秘密結社Qの感想でもあり レビューでもあり
[ヒーロー番組を悪側の立場で体験できる]
この秘密結社Qですが
オープニングが流れて
シナリオがスタートして
シナリオを無事にクリアして
次回予告が流れて
エンディングテーマが流れて
終わる
こんな感じで、完全にヒーロー番組の様な流れになっています。
(サクラ大戦の様なゲームというと、分かってもらえるでしょうか。)
毎回新たな怪人が出てきては
正義の味方と対決するという展開なので。
いかに、怪人でヒーローを倒すのか?が、
重要になってくるゲームです。
一応、怪人をサポートする為に
「雑魚の戦闘員」も用意されているのですが。
戦力になるのは、主人公と怪人くらいなので。
ヒーローがいかに強いのか
ヒーローと戦うのがどんなに命がけなのかを、
体験できる訳です。
必死で倒した正義の味方
次のシナリオでは、違う正義の味方が直ぐに登場
自分の相棒だった仲間が、実は正義の味方の親友だった
倒した正義のヒーローが、
かなりのパワーアップをして、戦場に帰ってくる
などなど
正義の目線で見ていた時は、燃えるような展開でも。
「悪の組織の立場だと、これ程までに辛いのか!!」というのを
体験出来るのが、
この秘密結社Qの最高なところでしたね。
[ストーリーの展開に涙する]
この秘密結社Qですが
テイストとしては本当に馬鹿なゲームです。
味方の戦闘員に、いちいち弱点が設定されていて
弱点NHKの集金とか
弱点初回特典という響きなど
ゲームとは全く関係のない設定の数々が
「このゲームは本当に馬鹿だな」と思わせてくれます。
しかし、物語が後半に進むに連れて
どんどんシリアスな展開に進んでいきます。
主人公の生い立ちが分かっていく度に
「この後の展開ってどうなるの…」とワクワクさせてくれました。
物語を体験したくて、
どんどん遊んでしまう。
ゲームのお手本の様な作品だったと思います。
バカすぎる前半の展開
シリアスすぎる後半の展開
この温度差が、あまりにも効果的過ぎまして、
気づいたら感動していました。
このゲームでは
自分の選択肢によって、
エンディングが分岐するマルチエンディングになっていまして。
悪の組織に就いて、そのまま国家転覆を目論むのか
はたまた正義の味方と手を結ぶのか…なんて
好きな方のエンディングを決められるのも、最高でした。
もしも、悪側のルートしか選ぶことができなければ
伝説のゲームになっていたかもしれませんが。
それだけでは感動出来なかったと思います。
正義と悪という
相反するストーリーのせめぎ合いを
バカゲーというオブラートに包んで
上手く表現する
こんな展開の上手さが、
最高に感動できた理由だったのかもしれません。
[レベルの概念が意味を持たない]
この秘密結社Qというゲームは
スパロボタイプのシミュレーションRPGなのですが。
敵を倒すと経験値が貰えて
キャラクターのレベルが上がっていく
オーソドックスなシステムでした。
そして、初めてプレイした時に思ったんです。
「戦闘員のレベルを上げまくって、怪人並の強さにしよう!!」と。
このゲームでは
基本的に、戦闘員は捨て駒でしかないんです。
噛ませ犬の戦闘員で
ヒーローのエネルギーを消費させて
怪人と主人公でヒーローにとどめを刺す
こんなゲームでした。
レベルのシステムがあるという事は
「戦闘員を育てれば、怪人よりも強くなるのでは?」と思いました。
しかし、そんな夢の様な事は出来ませんでした。
と言いますのも、
このゲームは、レベルが上がったからといって
特に有利になるシステムでは無かったんですね。
それはなぜなのか?
ゲームのシナリオが終わると
今までの味方は居なくなってしまうからです。
どんなにレベルを上げようとも、
主人公以外は全ての仲間が入れ替わる
なかなかの困ったシステムでした。
しかも、仲間のレベルはステージ固定です。
主人公のレベルを
そのシナリオでどんなに上げようとも
次のシナリオでは
「それ以上のレベルになって出撃」
こんな今までのレベルシステムを
真っ向から否定するシステムになった訳です。
これが、今の時代のゲームならば
怪人をMAXまでレベルアップさせて
ヒーローを一撃で破壊
正義のヒーローの必殺技を
片手で弾き返す
なんて、最高に熱い展開になったと思うのですが。
せっかく戦闘員のレベルを上げても
まったく意味を持たないのが
このゲーム唯一の残念な所でしたね。
ここを極めていれば
秘密結社Q15くらいまで続いていたかもしれない。
もしもなのでした。
秘密結社Qのまとめ
なぜ遊んでほしいのか?
皆さんも一度は思った事があるはずです。
「悪の目線でゲームを楽しみたいな」と。
そんなひねくれた願望を叶えてくれるのが
今回の秘密結社Qというバカゲーなのでした。
悪の幹部になってみて下さい。
なにがそんなに面白いのか?
毎回出てくる、バカな怪人を操りながら
どうやったら正義のヒーローに土をつける事ができるのか?を
真剣に考える訳です。
そんな「悪の大首領」のような展開が最高に楽しかったですね。
お金を貯めて怪人をパワーアップとか
お金を貯めて新たな怪人を作成するとか
ちょっとしたやりこみ要素があったとしたら
もっと売れていた。
名作シミュレーションなのでした。
今急いで買う理由とは?
このゲームを購入した時は
どんなゲームなのかもわかりませんでした。
「最初から最後まで、バカなノリで進んで行くのかな」と思っていました。
しかし、最後の最後で泣かされるとは驚きましたね。
当時のシミュレーションゲームには珍しい
「戦闘シーンのオフ機能」も搭載されていましたので
時間がない人でも楽しめるのは良かったと思います。
戦闘シーン自体も、
ヒーローショーの様なアクロバティックな楽しさも有りましたので。
時間に余裕のある時は、
豪快なバトルシーンもお楽しみください。
悪のまま世界を破滅に導くのか
正義と共闘して、世界を正しい方向へと変えていくのか
全てがあなた次第
そんなシミュレーションをお楽しみください
今日も
モノノフ的ゲーム紹介をお読みくださりありがとうございました
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